窓口支援事例
株式会社日置精工
特許事業・経営

自社技術が活かされた装置開発を特許で補強し新分野へ進出

企業情報

所在地
鹿児島県日置市
ホームページ URL
-
設立年
1985年
業 種
省力機械、治工具の設計・製作
従業員数
13人
資本金
1000万円

企業概要

 当社は、創業以来30年以上にわたり、県内大手企業の新規設備や治工具の製作及び既存設備の改造をしてまいりました。この間に培ってきた技術やノウハウの蓄積により、近年は県内外からの様々な省力機械の注文にも応えております。
 「誠意、創意、熱意をもって、お客様の問題解決を行い地元企業の繁栄と社会に貢献する。」を企業理念としています。

自社の強み

 自社で設計から加工・組立・制御までの一貫生産をしていますので、短納期に対応できます。また、治工具の注文に対しても、単に注文を受けたものを作るだけでなく、課題解決の提案を提供できるノウハウを保有しており、発注企業様から高い信頼を得ています。
 ハード面においてはマシニングセンター、NCフライス盤、NC旋盤など最新の設備を導入しており、高精度難加工に対応できます。ソフト面では機械設計CAD、制御用装置を揃え、技術向上のための教育にも力を入れております。

一押し商品

 右写真の装置「揚げ玉選別機」(特許出願中)は、県内食品製造企業で生産している「揚げ玉」の製造工程で人手による重労働であった篩い分け作業を自動化したもので、当社が食品関連の加工機械に初めて取り組んだものです。
 装置の特徴は円筒状の篩を2層に形成し回転させることで、大きさがバラバラな揚げ玉を、3段階に分別することができます。投入、取り出しのし易さによる作業の効率化や、総ステンレス製にすることで衛生面も考慮してあります。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は従来、半導体産業向けの省力機械を主に開発していましたが、食品製造企業との共同研究を契機に、食品用自動機械「揚げ玉選別機」の試作開発に取り組み始めました。また、公益財団法人かごしま産業支援センターの「中小製造業者創業・新分野進出等支援事業」の助成を受け、これを機会に本格的に新分野への進出を考え知財面での強化を行うこととなり、窓口の利用を考えられました。

最初の相談概要

 開発した食品用自動機械「揚げ玉選別機」(回転篩)の特許出願に関する相談を受け、出願は初めてであると伺い、知財全般の説明から始めました。また、先行技術調査の方法や特許出願書類の構成、出願の手続きと流れ、費用等について説明を行い、専門家(弁理士)からは対象技術の評価に関するアドバイスを行いました。

その後の相談概要

 専門家(弁理士)と同社を訪問し、出願予定の実機の構造、動作、稼働精度等を確認するとともに、特許出願書類の作成に係る支援などを行い、同社は平成29年8月に出願されました。
また、開発力を向上させるために新しい開発手法を学びたいとのことで、専門家(企業OB、技術コンサルタント)を派遣し、創造的開発手法である「TRIZ(発明的問題解決理論)」の社内勉強会も行いました。

窓口を活用して変わったところ

 リーマンショックの際は、会社存亡の危機であったとのことで、社会情勢の変動に耐えられる体制づくり、受注先の拡大を意識されていらっしゃいます。今回の特許出願を通じて、知財戦略にも目を向けられる機会となりました。さらに、新しい分野での顧客対応も可能であるという自信も持たれました。


企業からのメッセージ

 この度開発いたしました篩の特許出願について、初めてご相談させていただきました。
 特許に関する知識は全くございませんでしたが、ご担当者のアドバイス、専門家との打合せまで親身になって対応していただき特許出願できました。お気軽にご相談されることをおすすめします。

窓口担当者から一言

 新分野進出に挑戦されるなど、同社社長は意欲と誠意を持って取り組んでいらっしゃいます。また、従業員の方々も熱意を持って仕事に向かっており、知財をきっかけとして窓口からの様々な支援を行うことにより、さらなるご発展をされることと思います。 (有馬 廣道)

自社技術が活かされた装置開発を特許で補強し新分野へ進出(246.6 KB)

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掲載年月日:2018年1月22日

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