子供二人の中学受験を終え、『こんな受験手帳が欲しかった!』という思いでこのスケジュール帳を作ったのが創業のきっかけです。
受験は「親子の受験」と言うほど、学校や塾の予定に加えて、兄弟姉妹や家族の予定、送迎にお弁当作り、栄養管理、体調管理etc、親のスケジュール管理が非常に大変です。塾の大量のプリントに埋もれ、日々の生活に追われ、学校説明会が今日だった!なんて事も。
一般的なスケジュール帳では使いにくいし、もう少し受験に特化したものが欲しい、でも受験色があまり出てしまうと人前では開きにくい。この手帳はシンプルながら、日々のスケジュール管理と、受験校の把握やメモができ、また最終一番の要となる、受験料振り込みから入学金納入までが一目で把握できます。
私は塾の講師でもありませんし、受験のノウハウも全くありません。
ただ母親目線で創ったこの手帳が、次に繋がる受験生のお父さん、お母さんのお役に立てれば、という気持ちで作成いたしました。一喜一憂することのないように、あえて成績を記入するページはありません。
我が子二人の受験を振り返ると、泣いたり、笑ったり、褒めたり、怒ったり、そして迷ったり、順風満帆な受験期を過ごせた訳ではありませんでした。でも、まだ幼い小学生の我が子と同じ目標に向かい、親子二人三脚で歩んだ時間は本当に素晴らしい体験でした。後で一行日記を読み返して、親子の成長と、子供との思い出手帳になれば幸いです。
1月から翌年の4月まで16カ月間に渡り書き込めるA5サイズの受験スケジュール帳です。(実用新案登録 第3209822号、商標登録 第5962967号)
学校ごとにオープンスクール・体育祭・文化祭・説明会の日程が記入でき、年間学費一覧では、おおまかな学費を把握できます。受験スケジュールのページでは、親が一番気を遣う「受験料振り込み」から「入学金の納入」までが、見開き1ページで把握できます。
最後にあります、一行日記は、受験期の親子の不安や迷いや喜びが、後に親子の成長記録として振り返れる『思い出日記』です。
本年1月「中学受験の母親向け手帳を作った。知的財産で保護できないだろうか。」と福岡県よろず支援拠点にお問合せをされ、知財総合支援窓口を紹介され来所されました。実際にお子様の受験を経験されたことから、「こういう手帳があったらこれから同じ経験をされる親御さんには絶対に必要とされる」との強い思いから、知り合いの印刷業者に500部を発注されたとのことでした。
知財権による保護という観点では、特許/実用新案、商標および著作権が対象となるであろうことを説明し、専門家(弁理士)の無料相談を活用していただきながら、商品戦略およびブランド戦略に合わせた出願を支援し、最終的には、実用新案登録1件と商標登録1件を完了されました。しかし、権利を取得しただけでは商品は売れませんし、事業も進展しませんので、引き続き支援を行うことといたしました。
一主婦からの創業で事業に関するA to Zもわからない状態から、改めて福岡県よろず支援拠点に通い詰められながら、事業の立上げ、事業計画の策定、 チラシ、プレスリリース、ホームページ作成、販売店との契約といったノウハウを身に付けていかれました。最初の関門であった500部も2ヶ月で完売し、ネット販売および書店18店舗での取り扱いで、2000部の増刷をされ、2018年度版は初版 3000部まで事業を拡大されています。
ご相談当初は本当にひとりの優しいお母さんという雰囲気の方が、今では一経営者のお顔になられています。ただ、変わらないのは、「ひとりでも多くの受験生の親御さんに使っていただきたい。きっとお役に立てるはず。」という信念です。事業は、ノウハウやツール、データだけでは決して成功しません。経営者の理念、思いが大切であることを改めて感じさせられました。
今回の創業にあたり、単に「他者に真似されたくない」という知財権保護だけではなく、安心して事業が実施できる、お客様にPRできるといった知財権を取得する意義を知ることができました。また、よろず支援拠点のコーディネーターと一緒になってご支援いただけるのは、大変ありがたかったです。
これから創業を考えられている方々は、ぜひご活用をお奨めいたします。
ご自身のご経験から一念発起され、いきなり500部を製作してしまう覚悟と「絶対に売れる」という信念と自信に、我々サポーターが動かされたように思います。
当窓口は、同フロアに背中合わせでよろず支援拠点があり、両窓口を有効にご活用いただけるべく連携を図っております。ぜひ、ご活用ください。
(佐々木 賢)
受験用スケジュール手帳の企画販売創業支援(203.8 KB)
掲載年月日:2018年3月22日
更新年月日:2020年11月19日