当社は、平成元年に京都リサーチパークで創業し、主にシステム開発、Web サイト構築、コンピュータ関連機器の販売を行っています。
センサ技術の活用、主にICタグを活用したシステム開発を得意としており、自社開発したウェアラブルリーダをはじめ、ハードウェアを絡めたシステムを多く手掛けてまいりました。IoT分野では、気象の定点観測システム、植物工場の環境モニタリングシステム等の開発実績があり、医療機器用ソフトウェアの開発等、医療機関や介護施設との連携実績もあります。
ウェアラブルRFIDリーダ『TECCO』
当社では、手に装着するウェアラブルRFIDリーダ『TECCO』を自社開発しました。『TECCO』は、自然な動作の中でICタグを読み取れるため、作業効率の飛躍的向上が可能です。主に使用部品の収集時などのピッキング作業や設備操作のミス防止システムとして自動車メーカ、物流倉庫をはじめとする大手企業様への販売・導入実績があります。
『TECCO』を使用した業務アプリケーションをはじめ、様々なソフトウェアの開発を行っています。規模・分野にかかわらず、お客様のニーズにあったトータルなソリューションをご提案します。
当社では、自社開発したウェアラブルリーダの技術を活用し、様々な使用環境に対応するため、電源を用いずにICタグの検知距離を飛躍的に向上させる技術を開発しました。ICタグを設置した床面上を歩くという自然な動作の中で、使用者の位置情報をピンポイントで把握することが可能になり、健常者はもちろん、視覚障害者の道案内や誘導補助、外国の旅行者への母国語での道案内サービスなど、産業分野のみならず、医療・福祉等、幅広い分野で展開していきます。
新規支援企業の掘り起こしとして、窓口担当者が京都リサーチパーク内の同社を訪問したのがきっかけでした。同社は主にRFIDタグとウェアラブルリーダを利用した通信システムの自社開発を行い、現在は手に装着するウェアラブルRFIDリーダ『TECCO』を商品化し販売されていました。
今回、同社は視覚障害者等を誘導する点字ブロックの代替として、RFIDタグとウェアラブルリーダを利用した通信ガイドシステム『フラットナビ』を開発されていました。その商標『Flatnavi』の取得と、開発中の足などに装着するウェアラブルリーダ、及び床面や地面に敷設するRFIDタグを組み込んだ通信マットの発明について、特許を取得したいという相談でした。
商標『Flatnavi』については、様々な用途を想定した6区分にわたる、幅広い商品とサービスについて商標の取得を支援しました。また、RFIDタグを組み込んだ通信マットの発明については、自社での明細書作成による特許出願と、面接審査による短期間での特許取得を支援しました。さらに、足などに装着するウェアラブルリーダに関しても、外観のデザインについては意匠権の取得を支援し、構造の発明については自社での特許出願、改良発明を含めた国内優先権主張出願、及び出願審査請求を知財専門家(弁理士)と共に支援しました。
同社は従来、特許事務所を利用して商標、特許、実用新案等の出願を行っていましたが、新規参入分野においては知的財産権を活用した事業を進めるまでには至ってはいませんでした。今回、新商品における商標登録、意匠登録に続いて、自社による特許明細書の作成を当窓口で継続的に支援することで、権利取得にかかる費用を削減でき、事業化前の投資金額を抑制しつつ、かつ同社内に知的財産権の手続きを行える人材が育成できるなど、自社開発した技術について技術者の人材教育と知的財産権を有効に活用した商品戦略を進めることができるようになりました。
知財総合支援窓口の支援を利用することにより、ウェアラブルRFIDリーダ『TECCO』に続く、次期開発商品の足などに装着するウェアラブルリーダと通信マットによる通信ガイドシステム『フラットナビ』に関して、商標、意匠、特許と包括的な知的財産権取得を支援していただきました。知財に関する悩みごとがあれば、自社でいろいろと悩まず、まずは知財総合支援窓口に相談されると、適切な解決策を提供していただけると思います。
同社の次期主力商品である『フラットナビ』について、商標、意匠、特許の取得を支援できました。また同社の知的財産権を活用する意識も徐々に高まってきたと思います。(出願中を含め、特許・実用新案を10件、商標権を6件保有するまでに成長しています)。今後も同社は継続してIoT関連の新たな技術の開発を検討しておられ、当窓口としても各種専門家を活用して出来る限りの支援をしていきたいと思います。 (北川 俊治)
ICタグを利用したウェラブル通信ガイドシステムの支援(417.3 KB)
掲載年月日:2018年4月 4日
更新年月日:2024年2月16日