窓口支援事例
木楽創研株式会社
特許商標契約・法務

地域資源利用の木骨ハウスユニット

企業情報

所在地
岩手県大船渡市
ホームページ URL
https://kirakusoken.jp/
設立年
2011年
業 種
製造業
従業員数
5人
資本金
100万円

企業概要

 当社は、林業が盛んな気仙地方で利用促進が課題となっている間伐材を活用し、施設園芸用のハウスや倉庫等に多用途に活用できる「木骨ハウス」を開発・販売しています。
 木材資源が豊富であっても、木材活用の低迷により森林の荒廃が進行しています。森林が荒廃する実情を踏まえ、間伐材などを積極的に活用可能な「木骨ハウス」の特許工法を取得しました。
 間伐剤などを活用した商品開発と普及により、間伐促進・森林再生・間伐材の収益向上による雇用創出を目指しています。

自社の強み

 当社は、東日本大震災が発生した平成23年の秋に創立しました。
 地元の木材資源を有効活用しようとする事業計画が認められ、同年に、いわて希望ファンド地域活性化支援事業に採択され現在まで継続中です。その後、六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画を申請し認定されました。
 こうしたなかで、当社の木質資源を活かしさらに利用価値を高めるために開発したのが「8点軸で支えるユニットを連結」した「木骨ハウス」です(特許第4886078号)。この「木骨ハウス」は、さらにその強度を高めた改良技術(特許第6202688号)も取得しました。

一押し商品

 当社の木骨ハウス「キラクトラス」(商標登録第5948832号)は、鋼管を躯体とした一般的なパイプハウスと比べて強度が優れており、強風でも揺らぐことがありません。また、木は熱をため込まず、鋼管よりもハウス内の室温上昇を抑えてくれるため、農業用ハウスへ木材を使用することは、農作物の栽培に適した室内環境を保つことができます。「キラクトラス」は三角形(トラス)を基本とした美しい構造で、また「8点を軸で支えるユニットを連結」する簡易な構造ですので、短期間に容易にお客様で組み立てが可能です。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 木々の健全育成を図る間伐がなかなか進まない現状を憂う同社社長は、「木骨ハウス」で間伐材の活用を進め、地域での資源循環につなげられないかと「木骨ハウス」の試作品を持参していらっしゃいました。森林の荒廃は全国的課題であり、全国へ「木骨ハウス」を普及させたい、そのために知財を活用したいが、試作品はごくシンプルなユニット構造なので知財権による保護と活用ができないのではないかと心配していたようです。

最初の相談概要

 窓口では、発明品の特徴の洗い出しと簡易な先行技術調査の支援を行いました。また知財専門家(弁理士)を派遣して、発明品の特徴を詳細に確認させていただくと共に、特許の登録要件を満たし、他社製品との差別化を図れる範囲での権利取得が可能かどうか、相談を重ねました。

その後の相談概要

 相談者は震災特例の減免制度や早期審査制度を活用し特許出願した上で、平成23年に現在の会社を立ち上げました。その後「木骨ハウス」の強度を高めるための改良技術の権利化や他者へのライセンスに関する相談を重ねています。特にライセンス供与については国内のみで掃く海外からも問い合わせを受けるようになり、令和3年にPCT出願を利用して欧州で特許(登録番号EP 3 369 869 B1)を取得しました。

窓口を活用して変わったところ

 特許の取得を機に、積極的に公的機関や事業の活用をするようになりました。例えば、岩手希望ファンドの地域活性化支援事業や、六次産業化・地産地消法に基づく総合事業計画の認定、また、農林水産省の中山間地域における施設園芸秘術の実証研究への参画などをうまく活用しながら事業展開しています。その取り組みは平成27年度東北地方発明奨励賞、平成28年大船渡ビジネスプランコンテストのスタートアップ部門で最優秀賞、平成29年ウッドデザイン賞の奨励賞などを受賞し評価を受けています。


企業からのメッセージ

 2010年初冬より同窓口にお世話になりました。翌年の2011年2月末には特許出願に至りましたが、3月11日に震災が発生したため、その支援策として特例で無償の早期審査請求ができる事を教えていただきました。おかげさまで、その年の12月には1つ目の特許取得となり、その後もさまざまな情報や助言をいただき、去年の9月には2つ目の特許取得に至りました。今後もさまざまなわからない事等は窓口に相談に伺いたいと思います。皆様も窓口を是非ご活用ください。

窓口担当者から一言

 とにかくいつも明るく前向きで、自分だけがよければいいのではなく、地域も良くしたいという思いが伝わってくる人柄の社長さんです。一押しの「キラクトラス」は本当に美しく、簡易なユニットから作られているとは思えないほどです。ぜひ、全国の森林地域の資源活用にご検討いただきたいと思います。 (佐藤 清子)

地域資源利用の木骨ハウスユニット(504.8 KB)

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掲載年月日:2018年4月11日

更新年月日:2023年1月17日

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