淡路畜産農業協同組合連合会(当連合会)は、淡路日の出農業協同組合とあわじ島農業協同組合の連合会です。淡路家畜市場は、和牛繁殖、酪農、肥育(和牛)を取り扱っており、1310年に描かれた「國牛十図」には、筑紫牛、御厨牛につづいて淡路和牛が書かれているように、淡路和牛は国産の牛として古い歴史があります。現在も、全国有名ブランドビーフの産地へと送りだしています。
「世界へ誇るブランド牛の故郷」
淡路島は、日本古代から平安時代まで若狭、志摩とともに、朝廷へ島の食材を納めてきたことから『御食国』と呼ばれました。1200年あまりの歳月と島民の努力が創りあげた淡路島産但馬牛(あわじしまさんたじまうし)です。ここ淡路島で生まれ、現在日本を代表するといわれる神戸ビーフ、松阪牛や近江牛等の素牛となることから、世界へ誇るブランド牛の故郷と呼ばれております。
「淡路ビーフ」(商標登録第5083795号:地域団体商標)は、淡路島産但馬牛の食肉のうち、淡路ビーフブランド化推進協議会が定める品質評価基準に適合すると認定された商品をいいます。淡路島の肥育農家や精肉業者、畜産団体が一体となって淡路ビーフブランド化推進協議会を結成し、努力を重ねて、淡路ビーフを展開しております。高品質の牛肉として特産品化、淡路島の地域振興に寄与しております。
窓口担当者が窓口の周知活動の一環として同連合会を訪問し、所有されている地域団体商標登録「淡路ビーフ」と立体商標登録「BEEF-LAND\AWAJI淡路ビーフ」(商標登録第5093544号)の2件の商標権の維持管理、権利範囲等の支援をしたことがきっかけです。
同連合会は、地域団体商標と立体商標の取得後、商標権の維持管理と権利範囲、商標の使用、地域ブランド戦略等について検討されていたので、これらについて支援しました。さらに、「淡路ビーフ」のブランド力強化、地域ブランド戦略等の支援のため、専門家(弁理士)を活用することになりました。
地域ブランドの活用に強い知財専門家(弁理士)を派遣し、地域団体商標や立体商標の活用、消費者へのPR等ブランド戦略の支援を行いました。その後、経済産業省近畿経済産業局知的財産室の平成29年度地域団体商標ブランディング推進事業を窓口担当者より紹介したところ、支援対象団体として採択され、支援を受けられて新商品開発やPRを進めておられます。
地域団体商標登録等の更新登録を完了されました。支援により改めて商標制度や地域団体商標制度や地域ブランド戦略について理解を深められました。また、地域団体商標ブランディング推進事業により「淡路ビーフ」の新商品開発やPR等につながりました。
地域特産品をブランド化し、消費者に発信していくことはたいへん時間と労力が掛かります。このようなときに、登録した商標権をどのように活用するのか、地域ブランド構築はどうすればよいのか等悩まれましたら、知財総合支援窓口に相談されることをお勧めします。
相談者の、「淡路ビーフ」ブランドを向上したいという強い思いから、ブランド力強化につながり、また、近畿経済産業局ブランディング推進事業にチャレンジされました。今後も、ブランドPRや新商品開発等取り組まれ、「淡路ビーフ」のおいしさを広めていただきたいと思います。 (孝橋 敦司)
地域ブランド戦略、地域団体商標活用(230.1 KB)
掲載年月日:2018年5月22日