当オフィスは、「音を楽しみ、音で感動を与えるサービスの提供」を事業理念に2017年1月4日創業しました。当オフィスでは、1)演奏受託やコンサート・クリニックの企画・主催・引受業務を行うイベント企画、2)オリジナルデザインのサキソフォーン(サックス)用リガチャーをはじめとする木管楽器に付帯するパーツ及びアクセサリーのデザイン・製造・販売、3)ヴィンテージサックスのレンタル業務を伴うVintage Saxophone Salon 「Bop Wind」の運営、4)サックスレッスンの提供及びクリニック開催を伴う音楽教室の運営などを行っております。
当オフィスの強みは、代表者の音楽に関する国際的に高度な知識と経験とをベースにして各業務に取り組むことで、他者には真似のできない演奏や、技術、知識を提供するところにあります。現に代表者の独創的発想は、宮城県知財総合支援窓口のご支援により、短期間に2つの特許権を取得するなど、その類稀なる事業基盤を形成するものです。
また、代表者が、米国において収集したヴィンテージサックスのコレクションは、今後、音楽の知識や技術と相まって、他に類を見ない事業に発展する資産となっております。
自ら製造しインターネットを活用して販売を行っているワイヤーリガチャー(特許第6183937号)とレゾブリガチャー(特許第6126296号)は、TVや新聞等にも紹介され、宮城県内で脚光を浴びる商品となりつつあります。今日販路拡大を図るべく、有名ミュージシャンや楽器店へ試奏用サンプル提供を行うとともに、これらの特許取得商品は、代表者が在学するニューイングランド音楽院や卒業したバークリー音楽大学において、高度な演奏技術を有する教授陣や在学生にも好評を得る画期的製品であり、海外でのEbeyやAmazonなどでの販売も検討中です。
同オフィス代表である相談者は、米国の名門・バークリー音楽大学在学中に、自分のサックス演奏は音量や音の太さという点て?米国人にはどうしても勝る事が出来ないという壁を乗り越えるために、一時帰国の際にワイヤーリガチャーを開発しました。その後、渡米した相談者に代わり父君が、当時の東北特許室(現知的財産室)の紹介で当窓口に実用新案登録出願について相談に来られました。
最初の相談では実用新案登録出願とのことでしたので、J-PlatPatによる先行技術調査を支援しました。その結果、同一類似のものは見い出されませんでした。技術内容と先行技術調査結果について専門家(弁理士)を交えて検討した結果、理論に裏づけされた高度な発明であり、また創業予定であることから特許出願にすることを勧めました。
出願書類は、米国在住の相談者と父君とが共同で、何度も窓口と相談の上、試行錯誤しながら作成されました。相談者は、特許については素人であるから考え過ぎても仕方がないと割り切り、もう一件、ワイヤーリガチャーよりさらに振動を直接伝えるということに特化したレゾブリガチャーの特許出願書類も完成させ、思い切りよく2件の特許出願をご自身でされました。
最初に相談されたワイヤーリガチャーの出願書類が完成するかどうかの時期に、既に次なるアイディアであるレゾブリガチャーの出願書類を自力で完成のレベルまで仕上げ、積極的に商品化、事業化と着々と取り組まれた裏には、やはり窓口や専門家の助言を受けながらもご自身でワイヤーリガチャーの出願書類を作成できた、という自信があったからだと思います。
この度の発明は、小さな発明で恥ずかしかったのですが、電話で問い合わせたところ直接会って、サンプルを用いて相談し、類似技術調査から出願方法など段階的に具体的アドバイスを頂いたおかげで自力で出願に至ることが出来ました。特許取得は、窓口担当者の具体的で前進的な指導の賜物で、費用の免除や早期審査の活用まで完璧なご指導を頂きました。感謝極まりない献身的ご指導に対し、本当に無料でいいのかと感じる次第です。皆さん、まずは相談してみてください。真剣に聞いてくれます。
演奏者でありながら、国立の高等専門学校卒業という異分野の知識があればこその特許登録だと思います。また、世界に向けて羽ばたこうと、積極的に演奏会を行い、さらに事業化へと着々と取り組まれるお姿を見て、私も勇気が湧いてまいります。その素敵な笑顔を絶やすことなくこれからも邁進して、世界ブランドになることを祈念しております。 (山口 健)
サックス演奏補助具の特許登録から起業へ(157.1 KB)
掲載年月日:2018年5月 2日