当社は、青森県八戸市及び周辺市町村で一般建築塗装工事、外壁化粧防水工事、鋼構造物塗装工事を中心に、新築物件からリフォーム物件まで民間、公共工事の仕上げ工事の元請、下請工事に携わる創業大正13年の企業です。
当社は、30余年の研究を経て自社開発した壁材による「磁石がつく壁」を世界に先駆け青森県から情報発信しております。磁石のくっつく壁、マグシリーズ(マグピタットウォール・マグピタックルシート)は、老人ホーム・幼稚園・保育園などの新築・改修・リフォームはもとより、住宅用にも壁面掲示の強い味方として便利にお使いいただけます。おびただしい画鋲の穴、黄色く変色したセロハンテープの跡もスッキリ解決いたします。
なお、マグピタックルは当社の登録商標です。(商標登録第5030314号)
当社の一押し商品は、磁石のつく壁です。
「磁石がつく壁」用の塗料は安全性と作業性を考慮した水溶性の塗料が望ましいのですが、同塗料は磁石を吸着させるため数十ミクロンの細かい鉄粉を含有させており、水溶性塗料では鉄粉が錆びて塗料が黒茶色になる問題点がありました。その問題点を解決するため、地方独立行政法人青森県産業技術センター八戸地域研究所と共同研究を行い、特許第5988133号「磁着性塗料用混合物および磁着性塗料」を開発し商品化しました。
近年では、ガラスに設置する「透光型磁着性シート」の開発をしており、特許出願を行うと共に製品化に向けて取り組んでいます。
同社が平成23年度「八戸市産学官共同研究開発支援事業」に採択され、地方独立行政法人青森県産業技術センター 八戸地域研究所と共同研究が始まったことがきっかけとなり、「磁着性塗料用混合物および磁着性塗料」の特許権利化等に関する支援が始まりました。
最初は先行技術調査方法について支援しました。また、「青森県知的財産事業展開促進事業費補助金」に採択され、その補助金を活用して特許登録の可能性が見出せたことから、地方独立行政法人青森県産業技術センターと特許出願の検討を始め、平成24年3月に共同で特許出願を行いました。
同社は、特許庁の「審査請求料・特許料の軽減措置」の対象である従業員数20名以下の小規模企業であるので、同制度を利用した審査請求を行いました。
特許登録後は、青森県の知財活用支援コーディネーターと連携して、地方独立行政法人青森県産業技術センターとの実施許諾契約の支援や、特許を活用したビジネスの可能性を探るため、同社及び取引金融機関の青い森信用金庫に「知財ビジネス評価書作成支援事業」を紹介して、平成29年7月に同信用金庫から申請していただきました。
同社には特許を出願する際に、地方独立行政法人青森県産業技術センター八戸地域研究所の研究員とともに、特許として公開する技術とノウハウとして秘匿する技術を分ける「オープン&クローズ戦略」を説明しており、自社の持つ知的財産の有効活用を認識していただきました。また、特許取得だけではなく、ブランド化の必要性についても認識していただきました。
20数年来の開発成果が特許権利化に結びつきました。一時は、共同研究先の地方独立行政法人青森県産業技術センター八戸地域研究所の研究員から「特許権利化は無理だろう」と言われていましたが、専門家(弁理士)や窓口担当者の協力で特許権取得にこぎつけることができました。経営基盤の弱い中小企業にとって知財総合支援窓口は力強い味方です。ぜひ、相談してみてください。
同社は特許だけではなく、企業ブランド価値向上の取り組みも行っています。また、海外企業からの問い合わせがあるなど、国内だけではなく海外からも注目されています。特許は国内だけですので、ノウハウ管理を十分行いビジネスを発展していただければと思います。 (田中 智)
磁石が吸着する塗料(260.0 KB)
掲載年月日:2018年5月16日
更新年月日:2020年10月 2日