当社は平成30年9月2日で創業55年周年を迎えます。
これまで、インターネットライフをバックアップする配線工事やパソコンの設定などを行う「情報通信設備事業」、官公庁の防災無線設備を始めとしたワイヤレスシステムやCATV設備の構築を行う「総合通信設備事業」、交通信号機設備や高速道路・国道・一般道路情報板の設置とメンテナンスを行う「電気設備事業」を3つの柱として、「お客様に喜ばれ価値ある仕事をする会社」「企業価値の向上に挑戦する会社」「社員が活力を持って働く会社」「地球の環境に配慮する会社」を目指して事業活動を行ってまいりました。
当社の強みは、これまで積み上げてきた多くの先進技術と、豊富な経験と技術力を活かした安心・安全で高品質な設備の提供です。
そのために工事技術に関する有資格者の育成を行い、お客様のご要望を確実に行うための技術開発に常に取り組んでいます。
一方、「経営は人づくり」をモットーに人材育成に取り組んでいます。個人目標は自分で決め、1年間の達成度を上司と評価し合い、上司の助言と指導により能力向上を図っています。また社員に求める能力は「Mission & Management Book職務基準一覧表」に記載して各自が保有し、自己研鑽のために活用しています。
当社は自社商品というものは持っておりません。しかし高い技術と品質を追求し続けることに全従業員が一丸となり取り組み、社会や街・ご家庭の安心と安全に対する基盤づくりを縁の下の力持ちとしてサポートしております。当社の一押し商品として強いてあげるならばそれは「従業員」です。
確かな技術と品質をご提供出来る当社従業員は、お客様の立場の視点で工事に関する要望に的確にお答えいたします。
相談者は今日まで会社の土台を築き上げた創業者や先輩達の知恵と努力によって、社内には多くの情報・ノウハウが蓄積されているとの認識を持たれています。情報管理システムは整ってはいるが、大事なノウハウが機密情報として認識されずに無意識のうちに社外に流出させているかもしれないとの危惧を抱かれて、機密情報を管理する仕組みを構築したいとの相談に来られました。
専門家(弁理士)が、事業の内容および情報管理の現状をお聞きしました。その結果をもとにINPIT知的財産戦略アドバイザー(営業秘密管理担当)と共に、第一ステップとして経営トップに営業秘密管理の重要性を認識していただき、仕組み作りを進める承認を得ました。第二ステップとしてリーダークラスの従業員に対して営業秘密管理の重要性を啓蒙するセミナーを実施しました。
社内プロジェクトを立ち上げて営業秘密管理規程の整備を進めていただき、規程作成の過程で内容の良否・過不足等について相談を頂戴しました。これに対してINPIT知的財産戦略アドバイザーおよび窓口担当者からアドバイスを行って規程の完成度を上げていきました。現在は規程の整備を完了して社内の仕組みとして運用していただいています。
社内のリーダークラス以上の方々に知財の重要性に気づいていただけたと思います。また、営業秘密管理規程の整備を進める中で自社の強み・らしさを認識できたことで、ブランドの見直しに着手され(進行中)、また新規事業創出の可能性の検討を始められました。いずれも専門家(弁理士)を利用して方向性の確認をされており、確実に知財活動が充実しているように感じられます。
窓口を訪ねるきっかけは当社の中に眠る色々なノウハウが当社の財産であると考えたことが始まりであり、その管理方法に関する知識は全く無いため知財総合支援窓口へ相談にいきました。正直、形ばかりの対応かと思っていたましたが、窓口担当の方や来て頂く専門家の方々に当社を理解して頂き、そして当社に単なるアドバイスに留まらない、色々な社外の人・機構・組織との関係を築く支援もおこなって頂きました。知的財産(ノウハウ等)は事業の強みの源泉になると思いますので、これからも知財総合支援窓口を積極的に利用していきたいと思います。
営業秘密管理の重要性を説く中で、営業秘密となり得る(技術・販売の)ノウハウを生み出すことが重要であること、それらが自社の強みになることをお話ししました。営業秘密管理規程の整備に続いて、知的財産(ノウハウ等)を生み出すための仕組み作りと発明者等の評価の仕組み作りを是非支援させていただきたいと思います。 (武内 洋介)
ノウハウの保護とブランド戦略への展開(220.9 KB)
掲載年月日:2018年6月13日