当社は創業者である安田博が航空測量を得意とすることから、ドローン(無人飛行機)による3次元測量に積極的に取り組むとともに、航空測量を中核として業務を拡大してきました。
現在は、地上測量はもちろんのこと、河川の河道計画や流下能力の解析業務等の建設コンサルタント業務、用地補償業務などにも業務範囲を拡大しています。
また、AIやドローン搭載のレーザースキャナーを用いた計測等、最新の技術・機材を取り入れ、技術の研鑽に努めています。
経営者・開発担当者・営業担当者が、日々、コミュニケーションを図れる環境にあり、開発に関する意思決定が迅速であること、水理関係の学術的研究者とのネットワークが強いこと、公的発注機関のニーズを把握できることなどが、当社の強みと考えています。これからもこうした強みに磨きを掛けて、開発型・提案型のコンサルタントを目指します。
今回開発に成功した「UAV牽引による超音波湖底探査装置」は、これまでの探査方法に比較して、迅速性・効率性・安全性に優れていることなどから、今後、ダムの堆砂量の測量などに広く利用されるものと考えています。
また、本装置で計測した結果と、当社で開発したAIソフトを組み合わせることで、より効率的なダムの管理が可能となり、地域の安全性が向上するものと思います。
ドローンを活用した測量技術について、特許の出願取得をしたいとのことで当窓口を訪問されたことがきっかけでした。
同社が開発中の超音波による水底地形情報の解析技術を、ドローンに応用する技術が特許権の取得可能性があるか、ご相談いただきました。J-PlatPatを用いた先行技術調査の手法を指導するとともに、周辺技術・関連技術について調査するようアドバイスしました。また専門家(弁理士)より当該商品は、同社が他社に先駆けて開発した商品であるため、商品を構成している技術について整理するところからアドバイスをしました。
特許出願に向けて、発明の要点を軸に先行技術調査を進めること及び、上位から下位概念まで多段的に発明を捉えることについてアドバイスを行いました。その後、同社は先行技術調査を進め、専門家(弁理士)に相談して特許出願を完了しました。
出願に際しては、補助金の活用についてアドバイスしました。さらに、実用化に向けた支援アドバイスを行う中で、栃木県よろず支援拠点等の支援機関と連携し、軽量化と飛行精度向上のための試作品開発を支援しました。その後、同社は、効果検証を行っています。
同社は、これまで知的財産権の取得・活用はありませんでした。今回の支援をきっかけに、知的財産権について理解を深められました。
特許制度の詳細が分からないなか、知財総合支援窓口に相談に行きましたが、特許取得のポイント・特許取得に関する諸手続き・出願等の補助金申請・製品作成会社の紹介など、幅広く相談に対応していただきました。
特許取得をはじめ、知的財産の保全に関して、幅広く相談でき、支援もいただけますので、気軽に連絡されることをお勧めします。
ドローンによる3次元測量は、その活用が期待される分野です。今後は、効果検証に基づく改良発明や、完成品に係わる商標出願の支援を通じて、株式会社安田測量様の業務拡大にも対応できるように支援してまいります。 (樋田 治三)
UAV牽引による超音波湖底探査装置の開発(308.0 KB)
掲載年月日:2018年6月19日
更新年月日:2020年8月19日