当社のスタートは、代表である田部義美が、結婚を機にUターンして、祖父母の始めた農業を手伝ったことにあります。その後、経営を引き継ぎ、当初はキャベツだけを栽培しましたが、現在は、約7haの農地で先進技術を取り入れながら、大根・人参などの露地野菜と米を栽培しています。
また、地域交流も積極的に進めており、小中学生に対する食育活動や計画的出荷体制の確立など、魅力ある産地作りに取り組んでいます。これらの活動により、平成28年度に島根県知事より「頑張っているリーダー」として表彰されました。
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エコロジー栽培を心がけており、特に土壌づくりに力を入れています。例えば、野菜栽培前の畑に、成長させた「麦」を鋤き込んで馴染ませることにより、連作障害の回避に役立てています。また、成長した「雑草」も鋤き込んでおり、雑草の微生物を活かして堆肥の低減を図っています。
さらに、上記のように準備した土をさらに「マルチフィルム」で覆って土壌環境を安定させていますので、ストレスフリーで雑味の少ない野菜を収穫することができます。
奥出雲の標高と昼夜間の温度差によって、野菜本来の甘みを引き出した 『とろけるだいこん』です。
「スティックサラダ」「おろし」はもちろん、お勧めは「ふろふき大根」と「おでん」です。いつもより厚くして、豪快にお楽しみ下さい。
なお、意外ですが「てんぷら」も好評です。
同農園がTV番組で紹介された際、その取材スタッフに大根を試食してもらったところ大変評判が良かったことから、販路を拡大させるにあたり商標登録を検討するため、相談で窓口を利用されたのがきっかけです。
評判になった大根は、当初より「とろける大根」と命名していたので、その名称での商標化を検討しました。類似商標の検索指導を通して、権利化についての支援を継続し、最終的に一連表記とした「とろけるだいこん」を独力で商標登録出願されたところ、平成28年4月に商標登録されました。(商標登録第5848060号)
その後、キャベツの商標について相談されました。既に「出雲の女神」とした出願を考えておられましたので、前回と同様に類似商標の検索指導を行うとともに、指定商品について助言しました。その後、前回の経験を活かし、一週間程度で独力で出願し、商標登録されました。(商標登録第6081833号)
当初は、収穫した野菜が美味しいかどうかが重大な関心事であり、知財に対する意識は希薄でしたが、海外でのトラブルを見聞きするにつれて意識が高まったように見受けられます。また、商標取得により、自分の努力が一つの財産になったことから、経営上の励みになり、さらに、一般の商品名ではなく取得した商標によって注文を受けるので、農家として誇りを持てるようになったとのことです。
窓口を利用したことで、以前よりも権利者意識が拡大し、知財が大切だと考えるようになりました。
商標登録は、想像していたよりも事務手続きが簡単でしたので、そのような思いがあれば、是非窓口の活用をお勧めします。
支援した内容に対して、素直な人柄通りに対応頂きましたので、スピード感を持って出願支援を終えることができました。
農林水産業は、地方自治体にとって非常に大切な産業ですので、関係者への一助となるように、今後もより良い支援を心掛けたいと思います。
(齊藤 俊哉)
野菜ブランド戦略の商標活用(219.1 KB)
掲載年月日:2018年6月26日
更新年月日:2020年9月25日