窓口支援事例
株式会社信栄食品
商標ブランド

伝統野菜を使用した自社ブランド化への支援

企業情報

所在地
長野県松本市
ホームページ URL
http://www.sinei-foods.co.jp/
設立年
1998年
業 種
食品製造業
従業員数
40人
資本金
1,000万円

企業概要

 当社は、創業26年を迎えた今なお中華点心にこだわっています。現在では餃子の製造に特化し、商社などを経由して首都圏を中心に全国の量販店、スーパーマーケットを始め、飲食店や産業給食、通信販売などにてお客様に餃子を届けています。地域ごとに微妙に異なる味付け、様々なシーンに合わせた餃子などを考え、お客様と一緒に開発し、OEM・ODM生産を小ロットから受け、使用原材料の差別化などにもこだわっています。

自社の強み

 当社は、「冷凍生餃子」の専業メーカーとして、都心部の大手スーパーや飲食店向けのOEMを手掛け、小売業向け総菜用餃子のシェアは全国でもトップクラスを誇っています。また、国内市場のみならず東南アジアを中心に、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、香港、アメリカ等の市場にも商品を供給しています。
 一方、当社は、6次産業化にも積極的に取り組み、地元のJA、自治体との農商工連携により、信州の伝統野菜である「松本一本ねぎ」の特徴を生かした新たな餃子を開発し、OEMと並ぶ自社ブランド品として事業の柱に育てています。

一押し商品

 当社の一押し商品は、「松本一本ねぎ餃子」です。主な材料である松本一本ねぎは、長野県松本市を中心に江戸時代より栽培され、一回の栽培で二度植え直す特殊な技法で独特な甘みを引き出しています。これを使った「松本一本ねぎ餃子」は、にんにくを使用せず松本一本ねぎの風味を最大限に活かし、学校給食にも使用されるなど、お子様にも優しい餃子です。
 松本一本ねぎの主な生産地である松本市は、「健康寿命延伸都市」を宣言し、人と社会の健康づくりを目指した総合的なまちづくりを目指しています。松本一本ねぎは、葉酸を豊富に含み、栄養機能食品としての販売や、老化防止に役立つとされる成分も含まれ、「松本一本ねぎ餃子」は、地域に根ざした商品として、松本市が目指す健康寿命延伸にも一翼を担っています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は、「冷凍生餃子」の専業メーカーとしてOEM・ODM生産を行っていたことから、知的財産については関心がありませんでした。6次産業化に取り組む中で、地元支援機関から、自社ブランド品として事業を育成するためには、商標権を取得することが重要であることを指導され、以前から支援機関と連携していた知財総合支援窓口を紹介されました。

最初の相談概要

 商標登録出願の相談を受けた「松本一本ねぎ餃子」は、自社ブランド品として事業展開する一方、地元の松本一本ねぎ生産者、JA,、自治体が進める地域経済の発展のためにも商標権の取得が重要であると判断しました。そこで、商標について出願から権利取得に至るプロセス及び手続きについて説明し、商標権の取得を目指しました。

その後の相談概要

 6次産業化として農商工連携に取り組んだ「松本一本ねぎ餃子」を通じて、地域経済の発展に寄与することを目的として、2件の商標を出願し、特許庁の審査を経ていずれの商標も登録されました。この結果、「松本一本ねぎ餃子」は、OEMと並ぶ自社ブランド品として事業の柱に育っています。

窓口を活用して変わったところ

 同社は当初、事業の主力をOEMとしていたため、商標などの知的財産に関しては関心がありませんでしたが、地元支援機関の支援と知財総合支援窓口の助言の結果、商標権の取得により、自社ブランド品が事業の柱になるものと考えています。
 また、「松本一本ねぎ餃子」によって6次産業化が達成できたことにより、地元の松本一本ねぎ生産者、JA、自治体への地域経済効果に寄与する他、地元の伝統野菜の知名度を上げるとともに、保護するためには商標権が重要であることを認識いただくことができました。
 今後も、地元の伝統野菜による6次産業化を推進するにあたり、知的財産による保護と活用を知財総合支援窓口の支援を受けながら進めていきたいと考えられています。


企業からのメッセージ

 OEMから自社ブランド化への転換は、食品業界においても例外でなく、自社ブランド品だからこそ、知的財産による保護と活用が必要になると考えています。自社ブランド化への転換を図る場合には、知財総合支援窓口とともに知財活用策に関して検討する必要があると考えます。

窓口担当者から一言

 OEMから脱却する際には、自社製品を自ら守りながら事業を展開することが必要になります。このとき、知的財産の活用が重要になりますので、当窓口に相談して下さい。 (富澤 正)

伝統野菜を使用した自社ブランド化への支援(398.9 KB)

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掲載年月日:2018年7月19日

更新年月日:2024年2月 6日

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