当社は、各方面のユーザーのお世話になり、「機械の便利屋」として平成 30 年には創業30年を迎えます。これも少量多品種のオーダーメイド品に前向きに対応してきた長年の経験によるものと思います。
自社ブランド製品が「硝酸アンモニウム爆薬(通称AN-FO爆薬)装填機」のみであることから、更に自社製品の開発を取り進めており、現在「ミキサー車の未使用生コンを再利用する為に、砂利・砂・セメント・水に分離する装置」を開発しました。
また、当社は中古品の倉庫を持ち、工作機械の中古機械を主とした販売も手掛ています。
当社は、各方面のユーザーより頂くご要望の「部品加工製缶」各種装置の対応が可能な「機械の便利屋」です。
また、自社ブランドの製品を持っていることが当社の強みです。
・AN-FO爆薬装填機
当装置は、リニア新幹線のトンネル掘穿工事にも使用される予定です。
・砂利・砂・セメント・水分分離装置
従来、未使用のミキサー車の生コンは野積み又はピットに投入して固化させ廃棄処理を行うだけであったところ、この度、砂利、砂及びセメント水を分離して有効活用をすることを可能としたコンパクトな処理設備を開発しました。
同社は創業以来、一般産業機械の製造・販売を手掛けられ、独自に開発された「AN-FO爆薬装填機」 は業界でも高い評価を受けています。今回、未使用のミキサー車の生コンに関して特許出願を検討し、公益財団法人千葉県産業振興センターを訪問したところ、継続的な支援には知財総合支援窓口が有効との助言を受け、当窓口に相談されました。
相談を受け、先ず、J-PlatPat を使った先行技術調査を支援すると共に、調査結果の検討には専門家派遣を活用していただき、弁理士からの助言も受けられました。その後は、当該「ミキサー車の未使用生コンの処理装置」の特許出願及び製品化に向けて、相談者、専門家(弁理士)、窓口担当者による検討会を何度か行い、アイデアを実用化するための検討を繰り返され、課題の解決策を追及して特許出願に至りました。
上記「ミキサー車の未使用生コンの処理装置」の特許出願後、同社は以前から温めていた別の装置に関しても特許出願を検討され、再び窓口を訪れました。そこで、専門家(弁理士)とともに先行技術調査を支援し、出願に向けて従来技術との比較検討を重ね、助言を行いました。
同社は、自身のアイデアを具体化して製品に仕上げる際、特許でガードすることの必要性は従来から認識されていましたが、出願前に先行技術調査を十分に行い、先行特許と自分の技術を比較検討することで、新たな気付きもあることを認識したということでした。
中小企業が自社ブランド品を保有することは、事業発展のために欠かせない手段の一つと考えていま す。保有している技術を特許出願して保護を図ると共に、自社ブランド製品とするためには、今回活用させていただいた窓口の役割が極めて大きかったと感謝しています。
種々の技術を保有している企業が同窓口を活用されるようにお薦めしたいと思います。
相談者と初めて面識を得て以来、「中小企業が扱う装置は省エネ・低コスト・コンパク ト化を追求した扱い易いものでなければならない」という基本的な信念を保持されていることを知りました。今回の装置は正にそれに合致していて、相談者のご経験及び課題解 決力に感服しました。まだまだ数多くのアイデアをお持ちのようなので、今後も他の装置 開発及び出願をご支援していきたいと考えています。 (坂元 祥郎)
中小企業向けのコンパクトな戻り生コン処理設備の開発(184.8 KB)
掲載年月日:2018年7月 2日