窓口支援事例
株式会社ケーエスケー
特許意匠海外展開

オンリーワン技術の消防用可変ノズル

企業情報

所在地
愛知県安城市
ホームページ URL
http://eco-ksk.jp/
設立年
1989年
業 種
製造業
従業員数
13人
資本金
1,000万円

企業概要

 当社は、自動車塗装機のコア部品を製造する樹脂等精密切削メーカーで、小径深穴の精密切削を得意とし、樹脂精密切削加工のため、自ら樹脂切削用ドリルを開発したり、消火用可変ノズルを自社商品として開発して脱下請けを目指してきました。
 愛知県は、県内の優れたものづくり企業を「愛知ブランド企業」として認定しており、当社も平成25年度「愛知ブランド企業」に認定されました。

自社の強み

 当社は、「困難に挑戦し、不可能を可能にして、お客様満足度を達成します」をモットーに、プラスチックの超精密切削加工に関しては、20年以上の蓄積したノウハウを有しています。
 新技術に関しては、樹脂の精密加工用の特殊ドリルの特許出願、消火用可変ノズルの特許出願と意匠登録出願、スターリングエンジンの加熱方式の特許出願や、他に切削加工用ミキシングガン(右図)の開発などを行っており、これらは他社にないオンリーワン技術と考えています。

一押し商品

 当社が開発した「消火用可変ノズル」(特許第5575315号)は複数のノズルチップを同期回転させ、その回転により各ノズルチップからの放水角度を集中/拡散角度に切り替える機構であり、それにより消火対象物に対し集中放水/拡散放水の様に消火性能の良い「消火用可変ノズル」を提供できます。
 この「消火用可変ノズル」は、日本発明振興協会と日刊工業新聞社共催の第42回(2016年度)発明大賞において、「発明功労賞」を受賞しました。 

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社を支援していた愛知県よろず支援拠点から知的財産についての支援要請が知財総合支援窓口にあり、両者の連携により、「消火用可変ノズル」の出願前段階からの支援に携わりました。

最初の相談概要

 「消火用可変ノズル」の開発に当たり、その特許出願の相談が最初の相談でした。
 同社は今まで何件かの特許出願は行ってきましたが、特許制度等の基礎知識を十分に理解されていない状態でした。そこで、「消火用可変ノズル」の保護の検討と同時に、これを具体的対象として産業財産権の基礎説明、特に先行技術との関係、先行技術の調べ方の説明を行いました。

その後の相談概要

 「消火用可変ノズル」の特許出願支援、外国出願助成制度や安城市の国内出願助成制度の案内、よろず支援拠点との連携による経営及び販売の支援を行いました。
 また、その後も「消火用可変ノズル」の後継モデルの開発中に、その保護の手法の相談、専門家(弁理士)派遣や出願支援、海外への展開計画の為のINPIT海外知的財産プロデューサーによる支援も実施しました。
 さらには、「消火用可変ノズル」に搭載する水圧計の意匠登録出願支援をし、同社で3件の出願手続きを行われました。

窓口を活用して変わったところ

 産業財産権制度の基礎からの理解が深まり、製品技術の開発・保護の見方が大きく変わったように思います。その結果、技術の開発においても特許を意識した開発が行われる様になったと思います。
特許出願や意匠登録出願(自社出願)の実務を通じて産業財産権制度に対する理解が更に深まり、支援当初に比べて知的財産に関する意識が格段に向上しました。


企業からのメッセージ

 これまでに何件かの特許出願等を行いましたが、産業財産権制度を十分理解した上での出願でなく、発明の展開・応用等の検討が出来ないという状況でした。知財総合支援窓口を知ってからは産業財産権についての基礎的理解が深まり、改良発明等も意識できるようになりました。何でも気楽に相談でき、また一緒になって考えていただけますので、知的財産に関しての困りごとは、先ずは何でも相談することをお勧めします。

窓口担当者から一言

 同社は革新的な技術開発とその保護に関して非常に意欲的であり、産業財産権について非常に関心が深く、極めて前向きに取り組んでいただけました。それは「創意工夫を怠らず、オンリーワンを目指す」という同社のものづくりに対する基本的取組みに根付いたものであり、今後も産業財産権制度の有効活用を期待したいと思います。 (平井 至)

オンリーワン技術の消防用可変ノズル(211.7 KB)

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掲載年月日:2018年8月 7日

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