鳥害対策専門の事業を立ち上げて 18 年目に入りました。以前、建築関係の会社を退職後に便利屋の事業をしておりましたが、鳥害対策専門に変 更したのは、マンションでの鳩対策を依頼されたことがきっかけでした。そのため、当初は大阪の鳥害専門の会社で修行し、ノウハウを学びました。
鳥害対策と言ってもあまり馴染みがないと思いますが、一番問い合わせが多いのが鳩の糞害です。マンション・アパートや工場や車庫などで糞害が発生しています。この他に、カラス・ムクドリ・スズメ等の問い合わせもあります。営業範囲は九州管内で、もちろんお見積りは無料です。
依頼主様の立場にたった工法を常に心がけ、ご提案できることです。
鳥害対策として用いる防鳥ネットの設置方法には、大きく分けて、接着工法とアンカー工法の二通りがあります。接着工法は、接着剤を使い無音で設置できる工法です。アンカー工法は、アンカーを打ち込む取付け方法で、台風にもビクともしない等メリットがあります。
接着工法は比較的簡単に設置ができるので、大手企業の殆どがこの工法です。しかし、開業した当初、全面に防鳥ネットを接着工法で設置したマンション 2 件分が、台風で吹き飛んでしまったことを経験し、それ以降、全面へのネット設置にはアンカー工法を実行しています。自然災害に保証は適用されないため、依頼主様の大切なお金が無駄にならないよう、過去の経験に基づき適切なご提案をさせて頂きます。
鳥害対策機器も多種多様で、優れた外国製の器具や対策機器も取り入れていますが、一押し商品としては、やはり日本製の防鳥ネットです。鳩用は目幅が 30mm で極細・黒色です。テグスのような透明が目立たないと思われがちですが、一番目立たないのは、黒色です。10m も離れると分からない位になります。室内からの眺望にも影響しにくいので、アパー ト・マンションに設置するには一番のお薦め商品です。耐用年数も十数年と長く、費用対効果からみてもかなり優れていると思います。
鳥害対策の事業立ち上げ時から、よりよい施工をなすための器具を工夫されてこられた同代表が、この度、高所作業時の使用する安全帯について知的財産権を取得したいとのことで、当窓口に相談にこられたのがきっかけでした。
最初に、知的財産権の概要について説明させて頂き、該当する部品の権利化のためにどのような出願が必要となるのかを一緒に検討しました。今後、考案された器具の部品を販売するに当たって、商品の商標権を取得しておきたいとのことであり、そのネーミングも既に考えられておられました。器具自体がなじみのあるものではないだけに、その商品となる部品の区分が分からず事前に調べておくのに苦労されたとのことでしたが、専門家(弁理士)の助言等を経て出願するに至りました。
商標登録出願後、しばらくしてから、器具の部品としての現在の形状がうまくいっているので、この形状で意匠登録出願を進めたいとご相談をいただきました。これを受け、複数回の相談対応が必要になる内容であったことから、同代表が足を運んでいただきやすい場所にある外部窓口(当窓口が鹿児島県工業技術センター内に設置)を利用していただきながら、専門家(弁理士)とともに支援し、出願を終えました。
もともと知的財産に対する意識は高く持っておられ、ものごとに迅速に対応される方でした。他県の登録特許について参考になる点を説明させて頂くと、「仕事をしながらこういう点の改良をすれば特許になるのか」ということで感心されていました。事業の展開にしたがって、さらに知的財産の活用が期待され、事業に寄与していくものと思われます。
ロープ作業が快適になる器具を考案して5年ほど経った頃、新聞広告で知財総合支援窓口の事を知りました。この器具を使うとロープ作業がとても快適になるので、権利にできないかと思い問い合わせてみました。出願書類は自分で作成しましたが、担当の方や弁理士の先生より何度も助言を頂き、何度も書き直しました。お陰様で商標と意匠のどちらも出願でき、本当に感謝しています。
どのように事業を護っていくのかが経営をしていく上で大切なポイントになりますが、その一つの武器が知的財産権による権利化となります。知的財産権と聞くと難しそうという声が出ることが多いのですが、商標登録出願や意匠登録出願は比較的取り組みやすい権利化です。専門家のアドバイスを貰いながら自分で出願してみることをお勧め します。 (岸野 敏和)
用具の権利化(248.5 KB)
掲載年月日:2018年8月 1日
更新年月日:2021年8月12日