製鉄所や造船所、そして発電所等々の大きな工場で使用されている大型産業機械(荷吊用の大、中型クレーン、製造用搬送設備)の設計、製造、販売を通じて、日本各地のお客様のモノ作りの一翼を担わせて頂いております。
出荷用の岸壁(2000t級船舶、3000t級バージ用)を所有しているため、陸上輸送では不可能な完成品出荷が可能であり、お客様の工場での設置工事が大幅に短縮できます。さらに、自動制御装置製造、資材関連商社等の関連会社とタッグを組み、お客様のニーズに細やかにお応え
することができます。
モジュラー型人員輸送設備・モジュラー型搬送設備
従来のゴムベルト式の輸送設備に比べ、設置角度限界18 度→30 度までが可能となり、お客様の工場の設置面積を縮小できます。
また、部分破損時の修理の際はベルト一式交換の必要がなくなり、部分取替が可能でメンテナンスのコストを抑えられるようになりました。
同社に「企業における知財の役割」に関するセミナーを実施したことがきっかけです。
当時、新たに造船用自動溶接ラインを開発されており、この装置の権利化について相談を受けました。
造船用自動溶接ラインは、自動車工場の自動化ラインを参考に開発しています。従来、造船の工程では溶接作業などは自動化がほとんど行われておらず、業界では斬新なアイデアであり、また、このラインの架台に工夫した点があったことから、J-PlatPat の検索方法をご説明するなど、先行技術調査を支援しました。
その後も、新たに開発した装置の権利化について、継続して相談があります。昨年同社が開発した「モジュラー型人員輸送設備」は、大分県が実施した「特許チャレンジコンテスト」で最優秀賞を受賞しました。
セミナー等の支援を通じて社員の知財に対する認識が高まり、開発した装置の権利化に対する認識も深まったように感じられます。
開発した造船用自動溶接ラインは特許を出願しましたが、既に県外の造船所より数台の受注を受けています。また、この設備を応用した製造装置の自動化ラインの試作を大手企業から受注するなど活況であり、今後この設備関連の事業が拡がることを期待しています。
知財の権利化に対する専門的な知識が薄いなか開発品の特許取得にかなり苦慮していましたが、知財総合支援窓口を活用することによって多方面にわたり潤滑に実行することができ、多くの不安を解消することができました。
同社を含め関連企業3社に対して、知財セミナーを数年行いましたが、このセミナーを契機に、社員の方の知財に対する認識が深まったように感じられますので、企業の進展にとって重要となる新たな装置の開発が進むものと期待しています。 (北坂 学)
モジュラー型人員輸送設備の開発(382.4 KB)
掲載年月日:2018年10月 9日