当社は平成18年に南九州自動車教習所として創立され、平成20年には 株式会社オファサポートとして法人化されました。社名オファサポートのオファとは、弊社の理念“One For All”の頭文字 OFA をつないだものです。
当社は、車校・サービス事業、IT事業、医療・療養事業、介護・福祉事 業の4事業を行っています。One For All の理念の下に、これらの事業を効果的に融合させ、例えば、デイサービス利用者へ、自動車運転、菜園提供等、様々なリハビリメニューの提供を行ったりもしています。
当社は自動車教習所敷地内にデイサービス施設、菜園があり、デイサービ ス利用者に、AI型自動車運転評価システムや野菜栽培等を通じて効果の高いリハビリサービスを提供することができます。特にAI型自動車運転評価 システムの取り組みについては、経済産業省より「地域未来牽引企業」、「地域中核企業創出・支援事業」に選出、及び宮崎県より「宮崎県成長期待企業」に認定されました。また、同システムの対外的なアピールも積極的に行っており、「ヘルスケア産業づくり貢献大賞」で九州経済産業局長賞、「第5回 ディープテックグランプリ」で最優秀賞等を受賞し、宮崎県内の自動車教習所への納入に?がったと考えます。
“One For All”の理念から誕生した、AI 型自動車運転評価システム(Smart・Driving・Assessment・Program(S.D.A.P.))を東京のベンチャ ー企業と共同開発し、特許第6086515号を取得しました。このシステム は、車両にGPS機能、ハンドルの動き、脱輪を感知するセンサー等を付け、被験者の走行から得られたデータを人工知能(AI)により解析し、模範走行と比較することにより、スコア化を可能にしました。また、宮崎大学工学 部との共同研究で、カメラ付ゴーグルにより眼球の動きを測定し、更に評価精度を上げる試みも行っています。
宮崎県工業技術センターへ技術相談をされた後、同センター担当者の紹介で知財総合支援窓口を訪問 されました。AI型自動車運転評価システムの開発の方向性について判断するための材料を得たいということと、同システムについて特許出願を検討されているということでした。
AI型自動車運転評価システムについて特許出願を検討されていることから、先行技術調査の必要性について説明するとともに、同システムを活用したサービス名称についても商標登録で保護する必要があることを説明させていただきました。
先行技術調査については、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)による専門的な検索方法を説明させていただくとともに、中小企業等特許情報分析活用支援事業についても紹介しました。その後、同事業に採択されたことで、特許第6086515号の取得に?がりました。商標登録出願についても弁理士の支援により、商標登録第5807672号等、全10件が登録となりました。
AI型自動車運転評価システムについて特許権、商標権を取得することにより、自信を持ってコンテストへの参加、マスコミ取材、営業活動を行うことができ、初めて同システムの納入へ?がったと考えます。この成功体験から同社の知財活動が活発化し、同システムの改良特許出願、新サービス名称の商標登録出願支援を行いました。今後は営業秘密管理についても支援を計画しています。
企業にとって知財活動が、行政機関支援、金融支援、営業活動について効果があることを体験として得ることができました。今後は販路拡大、営業秘密管理等で知財総合支援窓口を活用していこうと考えています。
最初の相談は約3年前ですが、短期間でAI型自動車運転評価システムの製品化、納入まで行うことができ、社長を始め社員の方々の熱意と努力は素晴らしいと思います。今後はリハビリ以外にも高齢者による交通事故の減少へ役立つことが期待されます。
(杉本 準)
販路確保への産業財産権による戦略的支援(232.0 KB)
掲載年月日:2018年10月29日