当社は創業昭和41年3月より、畳、襖、障子、網戸、クロス、クッションフロアー等の内装仕上げ施工・販売を営んでおります。平成15年からは通販ネット事業も開始し、畳店では数少ないインターネット販売にも力を入れております。
また、平成28年には“洗えて燃えにくい畳”を開発するなど、新商品開発にも進んで取り組み、差別化を図るために特許出願や商標登録出願など、知的財産による競争力強化も図っております。今後は社長の悲願でもある、日本の“畳の良さ”を世界に広めていくために、海外展開を開始しています。
当社では、平成28年に開発した“洗えて燃えにくい畳”「洗防畳(あらぼうたたみ)」のように、防炎・防水製品を製作する事ができ、防炎表示者登録は長崎県内唯一を誇ります。また、当社の基本となる畳の製作に関しましては、生産能力県内№1の力を持つ「フルオートメーション設備」を導入しており、女性オペレーターでも操作できるように工夫し、生産性向上にも力を入れております。
・洗防畳(特開 2017-206838)(商標登録第 5929726 号)
・カステラ畳(商標登録第 5543994 号)
・畳和(商標登録第 5846949 号)
防水・防炎機能を有した「洗防畳(あらぼうたたみ)」はもとより、カステラ畳®シリーズと題して、置き畳・ヘリ無し畳・上敷きに加え、畳枕を開発しネット販売も好評です。
インバウンド及び国内観光客へも人気が高まってきており、長崎ならではのカステラと日本の畳を調和させた、ホッとなごませる置物のアイデア商品として、販売にも力を入れております。
同社は、畳メーカーとして50年の経験と実績を基に、“燃えない・洗える畳”を独自に研究し、新たな開発商品として特許が取れないものか、知財総合支援窓口で相談を受けたのがきっかけでした。特許出願は初めてであり、この時から知的財産権についてもより理解を深め、知的財産の必要性を常に感じられ、継続して利用されている状況です。
長崎県産業振興財団のファンド補助事業に採択されましたが、審査の過程で特許取得の可能性を問われ知財総合支援窓口へ相談されました。その後専門家(弁理士)派遣及び窓口での専門家相談を重ね、防炎・防水畳の特許性について、一緒に検討しながら特許出願の支援を行いました。
特許出願については代理人を通して出願を完了し、その後の販売戦略上、商標登録の必要性を感じられ、商標出願についても知財総合支援窓口にて出願戦略をともに検討し、商標登録に至りました。また、海外から日本の畳への興味が高まってきており、海外進出を開始しています。そのため、専門家(INPIT 海外知的財産プロデューサー、弁理士等)と相談を重ね、知財リスク、出願戦略の面から支援を行っているところです。
相談当初から、社長は知的財産権の重要性は理解してはおられましたが、具体的に畳の構造、製法で特許が取れるのか、特許を取る必要性があるのか、など疑問をお持ちでした。専門家の相談を交えて、支援を重ねる過程で知的財産の理解をより深め、日本の畳業界の新たな活路も見据えながら、新たなアイデアを次々と生じさせる中でも知財戦略を常に頭に描いておられます。知財戦略による売上げの増加、雇用の増員も果たすことができました。
特許出願・商標登録するにあたって、知財総合支援窓口、支援機関の方々との出会いは当社にとってとてもプラスになることばかりでした。知財関連はどうしても知識が豊富でないと進める事が出来ない、難しい、どうせできないだろう…と、どうしても足踏みしがちですが、支援協力を受けながら一般企業でもやれる!事を実感しました。皆様も是非、一度ご相談なさってはいかがでしょうか。
今年度は設備投資による増産体制を構築すると共に、海外展開に伴う販売戦略も計画的に進めようとされています。INPIT 海外知的財産プロデューサー等の専門家の活用及び支援機関との連携により、日本の伝統文化でもある畳を世界へより広めていくためにも支援を続けていく所存です。 (水野 優)
洗えて燃え難い畳の販促・知財戦略(7.0 MB)
掲載年月日:2018年10月29日
更新年月日:2024年2月 5日