当社は、奈良県生駒市の「自転車屋ビっちゃん」を経営する会社です。一般自転車・スポーツ自転車・各種パーツの販売、メンテナンス・修理、カスタム仕様の組立て・製作・販売等を行う傍ら、自転車レースメカニックとして遠征選手に同行する業務も行っています。
また当社は、近年急速に市場が拡大している「ストライダー」競技に取り組んでおり、そのパーツ販売が急速に伸びています。
「ストライダー」は、米国 Strider 社が開発した子供用足漕ぎバイク(乗用玩具)です。その競技人口は、米国・日本に続いて中国にて急増し、世界中で200万人以上に達しています。
当社社長は、自転車組立整備士・自転車技士・自転車安全整備士・スポーツバイクメカニックSBM・BAA+メカニック等、国内資格を全て取得しており、永年のレースメカニックの経験と実績から、その技術力は自転車レース界で高い評価を得ています。
特に、「ストライダー」の世界大会では、2016 年以降3年連続して、当社が改良を加えたカスタムバイクに乗った子供が優勝しました。これにより、「ストライダー」のカスタム化の分野において、当社は極めて有名になりました。
「ストライダー」は、ペダルもチェーンも無い足漕ぎバイクです。幼児の体力向上に役立つことから、近年、世界的な広がりを見せています。
当社の一押し商品は、「ストライダー」のカスタム用パーツです。
◆ホイール:独自設計のリム・車軸・スポークを当社ノウハウで組立てており、飛躍的な自走距離を生み出します。
◆後輪キャップ:足漕ぎ時の引っ掛かりを防止します。
◆オフセッター:車体安定性を向上させます。世界大会優勝者は、これらのパーツを使用して最速化を図りました。中国でのストライダー人口の急増に伴い、カスタム用パーツの需要が大きく伸びています。
相談者は、「ストライダー」用の脱輪防止金具を発案され、米国 Strider 社とのアライアンスに繋げるために、その技術の特許権を取得したいと考えられました。相談者は、特許出願の経験が無く、インターネット検索にて知財総合支援窓口を見つけられ相談に来られました。
相談者は、「ストライダー」用の脱輪防止金具の特許出願について相談され、特許制度の基本事項の説明、現物確認による特許性検討、専門家(弁理士)を活用した出願ポイントの検討等の支援を行いました。それに基づき、相談者は、日本における特許出願を実施されました。また、その支援の中で商標登録出願の重要性を助言し、商標制度の基本事項説明、専門家(弁理士)を活用した出願内容検討等の支援を行いました。相談者は、その支援に基づいてブランド「OCF」を商標登録出願されました。
相談者より中国での模倣品対策に関する相談があり、INPIT 知財戦略エキスパートと連携して、中国での商標権取得、販売業者との取引契約締結と商流コントロール等、知財リスク低減に関する助言を行いました。その後、ブランド「OCF」が既に中国で冒認出願されていたことが判明しました。相談者は、専門家(弁理士)を活用して対抗方法を相談され、指定商品を「自転車」とした冒認出願への対抗手段として、指定商品「乗用玩具」にてブランド「OCF」の中国出願を実施されました。
相談者は、相談を通じて知財の重要性の認識を高められ、INPIT 知財戦略エキスパート及び専門家(弁理士)を活用した模倣品対策等に関する支援に基づき、中国への本格的な事業展開を決意されました。更に相談者は、INPIT 知財戦略エキスパートとの連携支援の中で、自社独自のパーツ組立てにノウハウがあることとその重要性に気づかれ、自社技術やノウハウの洗い出しを実施し、営業秘密管理体制の構築と事業基盤づくりを進めようとされています。
知財総合支援窓口の担当者や様々な専門家による支援を受けて知財活動を進めてきました。まだ活動を始めたばかりですが、経営課題として知的財産に関する種々の課題を総合的に支援して頂けるので、今後も窓口に相談して知財経営を進めていきたいと思います。知財総合支援窓口のご利用をお勧めします。
「ストライダー」市場は、アメリカ・日本・中国をはじめとして、今後、世界中に広がるように感じます。世界大会への参画等、競技への貢献を通じて、「ストライダー」の市場拡大を進められ、知財活動の定着化と経営基盤の構築により、更に事業拡大されることを期待しています。 (篠田 英穗)
ストライダー用カスタムパーツの中国展開(391.9 KB)
掲載年月日:2018年11月12日