窓口支援事例
名田植物園
特許商標営業秘密・ノウハウ

営業秘密管理による自社の強みの明確化

企業情報

所在地
福岡県筑紫野市
ホームページ URL
http://www.na-ta.net/index.html
設立年
1973 年
業 種
農林水産業
従業員数
5 人
資本金
-

企業概要

 何も言わない植物だから、水を与えたり、光に当てたり、植え替えたりします。しかし、植物がして欲しくないときに、肥料を沢山与えすぎたり、急激に環境を変えたりしていませんか?植物は、何かして欲しいときにしてもらえる人の事を、よく知っているそうです。私たちは、植物との対話を勧め、人に優しい植物達の提案を目指しています。
【企業理念】
「植物を通して、思いやりの心や感動を通じて豊かな社会づくりに貢献します。」
「植物に声かけをしながら癒しや感動を導く手助けをします。」

自社の強み

 昭和48 年に150 平方メートルのビニールハウスでシクラメン・草花等の生産を開始して以来、観葉植物、ハイドロカルチャー、多肉植物等の生産を通じ、「植物と対話」する中で、数多くのノウハウ、生産方法を蓄積してまいりました。
 そのノウハウを余すことなく注ぎ込めたのが、下に紹介する「ネコすっきR」(エン麦)という商品です。一般的なエン麦の種子は、虫がつかないように農薬をまぶして輸入しています。大切なペットに農薬がかかった草は与えたくないという想いから、当園では消毒を行わず輸入した種子を、農薬を使わずに発芽させながら、高品質の商品を提供しています。

一押し商品

 当園の猫草「ネコすっきR」は、大切なペットの健康を想い、毛繕いで飲み込んだ毛玉をよりスムーズに体外へ出すための、以下の特徴があります。
◎ スプラウト種子で安全&安心 : 冷蔵船を利用して種を食品として輸入した「スプラウト種子」を使用しているため、農薬がまぶされていない、安全、安心な製品を提供しています。
◎ アミノ酸を豊富に含んだミネラル水を使用し農薬を使わずに発芽・成長。
◎ 食物繊維が豊富 : 「ネコすっきR」に使用しているエン麦は、一般のエン麦より食物繊維を約1.6倍豊富に含んでいます。また、乳酸菌が1gあたり約7,880万個も含まれています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同園は当窓口開設以前より、九州経済産業局の特許室(現 知的財産室)や(一社)福岡県発明協会にて商標登録出願や特許出願等のご相談をされ、助言を受けられていました。その中で、当窓口開設をお知りになり、以後活用を始められました。

最初の相談概要

 最初のご相談は、猫草の栽培容器の特許出願および商品名(「ネコすっきR」)の商標登録出願に関するもので、同種の猫草は他社からも販売されており、それらとの差別化が目的でした。支援を経て商標権は無事に取得することができましたが(商標登録第5418592号)、特許については残念ながら拒絶査定となってしまいました。しかし、これが後に、名田植物園の「ネコすっきR」の本当の強みとは何かを考えていただくきっかけとなったのです。

その後の相談概要

 代表と協議するうちに、同園には「ネコすっきR」を、種子の段階から一切農薬を使用せずに、高密度の発芽率、均等な葉の成長、均一な品質の鉢植えを大量に生産できる強みがあることが明確になってきました。そこには、長年の研究と努力により培われた多くのノウハウ、生産方法があったのです。これは他人が簡単に真似のできない「営業秘密」という同園の大きな知的財産です。

窓口を活用して変わったところ

 早速、INPIT知財戦略アドバイザーを派遣し、「秘密にすべきノウハウ、情報のリストアップ=秘密情報管理台帳の作成・管理」、「営業秘密の確定日付取得」、「営業秘密管理規程の策定」、「園内での定着化」について代表が率先して取り組まれました。これまで代表がお持ちであった、権利を取得して独占、排他することが知財戦略であるという考えから、ノウハウについては特許で公開するのではなく、秘匿するという戦略を身に付けていただきました。
 これら知識と、「ネコすっきR」の高い品質とが相まって、取り扱い店舗もどんどん増やしておられます。


企業からのメッセージ

 目で見て解る商品の構造であれば、知的財産権で保護する。目に見えないノウハウ、生産方法については、権利化(=公開)するのではなく、営業秘密として秘匿する。それを、社員全員で管理していく。そんなしくみを作り上げることができました。このしくみは、新商品にも横展開が可能です。
 知財総合支援窓口は、当園の外部知財部の役目を果たしていただいていると思っています。皆さまも活用されることをお奨めいたします。

窓口担当者から一言

 多くのご支援企業の中でも、長い間お付き合いをさせていただいている企業のひとつです。従業員の方々と一丸となって運営されており、日々お忙しい中でも、知財に関する取組みは優先度を上げて取り組まれています。今後ともお節介させてください。 (佐々木 賢)

営業秘密管理による自社の強みの明確化(476.1 KB)

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掲載年月日:2018年12月27日

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