「ピクセルは、ペンより強し」
映像は、認知獲得、興味喚起、理解促進、満足度向上、共感力アップに結びつきます。当社は、平成16 年の設立以来、テレビCM をはじめとし、企業紹介映像などを、得意のCG 技術を用いて制作し、北陸を中心に約1,300 件の納入実績を持っています。
これまで培ってきたCG 技術を用いて、映像の持つ力を最大限に引き出すお手伝いをしています。近年では、このCG 技術を基に、疑似登山アプリや観光地紹介システムなどの疑似体験型の製品の開発を行っています。
映像技術とプログラミング技術の融合であるインタラクティブソフト開発が、当社の最も得意とする分野です。
2018 年4 月には、全天球カメラで撮影した映像を利用した富山県伏木・高岡地区の観光地紹介システムを「道の駅 雨晴」に納入し、多くの観光客の皆様にお使い頂いて、好評を博しております。
また成長が期待されるAR(拡張現実)、MR(ミックスドリアリティ)の開発にも力をいれています。
当社の強みであるインタラクティブソフト技術を生かした新製品が、疑似登山アプリケーション「頂-itadaki-」です。
「頂-itadaki-」は、これまで無かった登山の為の山岳立体マップソフトです。ピーターパンになったかのような鳥目線と、地上からの目線の両方で憧れの山々と向き合えます。
山行計画立案時やイメージトレーニング、過去の山行の想い出巡り、普段行けない場所へのバーチャルツアーなどにお使いください。
相談者の強みであるインタラクティブソフト技術を生かした製品の開発中に、他社の地図データの利用について、知財リスクの検討を商工会議所から勧められ、窓口を訪れたのが支援のきっかけです。
当該製品について、「他社が著作権を持つ可能性がある地図データを利用しており、知財リスクを低減するような利用方法を教えて欲しい」との相談でした。著作権については、対応方針について検討することにしましたが、窓口で新製品の動画を確認したところ完成度が高く、当初の売り先である放送業界だけではなく、一般ユーザーへの展開も視野に入れているということだったので、まず特許等で権利化して自社技術を守ることを勧めました。
その後は、著作権の概要を説明し、商用でも無料で利用できる地図データを利用することで知財リスクを回避しました。特許出願については、窓口から専門家(弁理士)を派遣し、技術内容を詳細にヒアリングした上で、権利化の方向性についてアドバイスを行い、その後、特許出願されました。
また、新製品である疑似登山アプリケーション「頂-itadaki-」に関しては、その開発段階から、特許および商標についての出願支援を行いました。本製品は、実際に登山に利用するシーンも考えられるので、試用版を公開する際に免責事項を約款等で利用者に確実に伝える必要性についても助言を行いました。
これまでの支援を通じて、新規開発時に事前に専門家(弁理士)から意見を聞くなど、知財の重要性に気づき、先行技術調査などの知財活動を業務に取り入れてきました。今後の業務拡大に備えて、職務発明規程の整備の取り組みも開始したところです。
今回の支援では、窓口の知財専門家相談会や専門家派遣をタイムリーに利用し、特許や商標など具体的な権利化に結びつけました。知財総合支援窓口の専門家による支援は、無料で使えて、基本的には回数の制限もないなど、使いやすい制度となっていますので、ぜひご利用ください。
同社は、高い技術力を備えているのですが、これまで知財活動に関しては、ほとんど経験を持っていませんでした。当初は、著作権の相談でしたが、そこから効果的に専門家を利用され、特許や商標の出願に結びつきました。
その結果、疑似登山アプリケーション「頂-itadaki-」については、自信を持って拡販活動に挑まれ、大手企業からも興味を持たれる新製品となりました。
知財の重要性に気づき、その後の実践に繋がった支援となりました。
(荒木 信成)
疑似登山システム「頂」の開発における知財化支援(311.7 KB)
掲載年月日:2019年4月22日