窓口支援事例
小林製作所
特許商標海外展開

特許と商標を企業経営に役立てる

企業情報

所在地
石川県白山市
ホームページ URL
https://team-kobayashi.com/
設立年
1947年
業 種
製造業
従業員数
160 人
資本金
1,000 万円

企業概要

 当社は1919年から続く会社で、以前は金沢市でボルトなどを製造していました。戦後、ボルト需要が減少する中で、板金・塗装の事業を立ち上げて生産を開始し、その後、生産設備などの需要の高まりに合わせて減少傾向にあったねじ部門は廃止し、板金塗装事業を主軸としました。
 生産工程にいち早くITを導入し、半導体製造装置や産業機械など多岐にわたる精密板金加工製品の製造に加え、生産管理・カメラシステムの開発・販売を手掛けています。
 21世紀になった現在も常に時代の最先端を目指し、職人とコンピュータのさらなる共生発展を目指しています。

自社の強み

 当社のものづくりは、以下のような強みがあります。
 月に10 万アイテムを超える超多品目種を、1 個からの小ロットで受注生産し、超短納期(5 日以内)で納品しています。
 この高品質・高効率の製造体制を支えるのが、独自に開発した作業工程の見える化システム「SOPAK」で、IT経営力大賞2012 経済産業大臣賞を受賞し、作業時間の短縮とコスト削減を実現しております。
 また、2017 年には地域未来牽引企業にも認定され、地域牽引企業の担い手として期待されております。

一押し商品

 当社の一押し商品は、製造管理システム Sopak-Cです。ネットワークカメラのコマ撮り撮影で作業現場を記録し続け、過去に遡って見たい現場をいつでもすぐに見ることができるカメラシステムです。過去の現場も現在の現場も同時に見ることができます。一般的な監視カメラと大きく異なる特徴として、以下のようなものがあります。
・長期間保存し続けることができる。・撮影した画像を高速に閲覧できる。
・任意で選んだ複数の記録を並べて閲覧できる。・記録した作業シーンに名前
をつけて情報共有ができる。・生産情報とリンクが可能(特許技術)
 このシステム導入によって作業工程の改善が可能となり作業時間の短縮、コスト削減、コスト分析、作業日報の廃止、適正評価、教育訓練、作業標準書(作業マニュアル)などへの応用により今では機械部品製造や食品製造などを中心に60 社に納入実績があります。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社では、新たに開発した製造管理システムを海外で事業展開を進めようとしておりました。石川県産業創出支援機構(ISICO)が行っている地域中小企業外国出願支援事業を利用して、PCT国際出願した特許を外国出願する事を検討しており相談が有りました。

最初の相談概要

 国内特許出願を優先権主張してPCT国際出願した製品を中国へ輸出する事が決まり、タイ国では商談が進行中でした。PCT国際出願で幾つかの外国で特許権を取得したいと考えているとの事でした。中小企業外国出願支援事業で助成して貰える経費と助成して貰えない経費等の説明を行うとともに、対象とする国の整理などを検討いただきました。

その後の相談概要

 PCT 国際出願した特許が特許査定を得たことから、今後展示会等を通して海外展開に力を入れたいとの相談と共に特許取得製品の国内商標出願の相談がありました。また、取得した特許の改良発明について、出願が可能かどうかの相談があり、アイディアの整理を行うため弁理士の派遣を行いました。更に大手FA・金型用部品の専門商社との製造委託等に関する契約書や秘密保持契約の相談があり、契約内容での問題点などを弁護士との相談も行いました。

窓口を活用して変わったところ

 最初の窓口相談後、国内で3件の特許出願と2件の商標出願をおこない、特許は順次権利化が進んでおり、商標は権利化を済ませました。海外展開を視野に入れており、PCT国際出願を2件行っており、外国での特許権取得が順次進んでいます。地域未来牽引企業にも選出され、地域経済を力強く牽引する企業として、知的財産の活用を積極的に進めていきたいと考えております。


企業からのメッセージ

 販売企業等との契約書締結時に自社にとって不利な内容とならないように弁護士に目を通して貰う等しながら、法務に関する力を蓄積し人材開発を行いたいと思います。また、知財総合支援窓口を利用して、高度に専門的な相談は無料で弁理士、弁護士に相談することが出来る事がわかり、企業にとっては大変助かる制度だと思います。今後も窓口を利用しつつ、知的財産権に関して適切な対応を行いたいと考えています。

窓口担当者から一言

 知財総合支援窓口では知的財産権に関する相談を受け付けていますので、気軽にご相談下さい。本件では、知財専門家(弁理士、弁護士)を派遣して改良発明や契約書内容のチェックや対応のアドバイスをして貰いました。 (島田 隆)

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掲載年月日:2019年6月20日

更新年月日:2022年2月 2日

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