私たちは「漁業者(組合員)の為」をモットーに、購買・販売・自営事業等を行っている協同組合です。会社を大きくしたいという気持ちはありません。ただ魚が獲れなくなり、若い漁業者も少なくなっていくなかで、苦しんでいる漁師さんの手助けになれば、少しでも還元出来ればという思いで、日々頑張っています。
個人での販路拡大には限界がある中で、全国に自慢できる「八代青のり」を一人でも多くの方に知って頂くために組合として頑張っています。
代表者 代表理事組合長 瀧川 和徳 組合員数 120名
所在地 八代市新開町3-84
私たちは日本3大急流の一つである球磨川の河口域を漁場に有しており、広大な干潟を利用した採介漁業、小型定置網漁業、エビ流し網漁業、アオノリ養殖業等、多種多様な漁業を営んでいます。
その中でも球磨川河口域でのアオノリ養殖業は30年の歴史があり、養殖した高品質なスジアオノリ(一般的なアオサノリとは違います)を丁寧に手摘みし、商品化しています。
私たちは漁師のこだわりがたくさん詰まった自慢の商品を提供しています。2019年6月21日に「八代青のり」が地域団体商標に登録されました(商願登録第6154106号)。
寒さの厳しくなってくる、11月からアオノリ養殖は始まります。寒さとともに伸びてくるスジアオノリを、丁寧に手摘みし加工します。
殆どが手作業のため、その日に加工できる分しか採取できず、収量が少なく、とても貴重な商品となっています。また、なるべく香りが飛ばないように棒状に加工しているのがこだわりの特徴です。
この商品は、厳選した最も品質の良い『八代青のり』を小袋に詰めた商品です。開けた時から香りが飛び始めるので、数回で使い切ってしまう5g入りとしています。味・香り共に他の商品には負けない自信があります。
八代漁業協同組合、熊本県、八代市、熊本県産業技術センターで、八代地域の特産品のブランド化について検討していたところ「八代青のり」の地域団体商標の取得を目指すことになり、熊本県産業技術センターの紹介で知財総合支援窓口へ相談に来られました。
八代漁業協同組合、県、市の担当者に対し、地域団体商標とは、権利を取得するための要件、周知性を高めるために漁協としてどのような活動が必要かを説明し、地域団体商標についての理解を深めて頂きました。
青のりの生産者に対し地域団体商標について説明し、生産者が共通の認識で商品名「八代青のり」を使用して周知性を高めるようアドバイスを行い、さらに専門家(弁理士)を派遣し地域団体商標出願に関して支援しました。また、九州経済産業局とも連携し「平成29年度九州における地域ブランド構築支援・普及事業」の支援先として採択され、ブランドに精通した専門家等を派遣して価格帯やパッケージ、商品ロゴ等の助言を行いながら、販売戦略やブランド戦略に関する支援を行いました。
知財総合支援窓口での支援をきっかけに、八代青のりについて組合と生産者が何度も意見交換を行うなど、関係者の活動が活発になりました、また今後の取り組みの方向性が明確になり、生産者のブランドに対する意識が高まりました。
八代漁業協同組合としての水産加工品の販売は、この「八代青のり」が初めてであり、販売戦略等を模索していた中、知財総合支援窓口を知り相談しました。
その結果、商品の特徴を再認識するとともに、我々が気付いていなかった点も御指摘いただき、円滑に地域団体商標の出願までごきつけ、登録に至りました。
また、ブランド構築支援事業を受けた事で、「八代青のり」の問題点や今後の取組み(ブランド戦略)へのアドバイスを頂き、「八代青のり」について再認識することができ、今後の販路拡大に大変役にたちました。
支援の場には必ず県、市の担当者が同席するなど、地方自治体のバックアップ体制が整っており、八代青のりに対する期待の大きさを感じました。
地域団体商標が無事登録され、その商標を活用し生産者の方々の所得向上につながることを期待しつつ、今後も必要に応じ支援を行っていきたいと思います。
(宮﨑 聖子)
特産品の地域団体商標出願とブランド化支援(413.1 KB)
掲載年月日:2019年7月 2日