当社は、島根半島の小さな町の御津で、「アイメック」農法の高糖度トマトの製造販売をしています。
平成29 年に会社を立上げ、平成30 年にハウスを建設して高糖度トマトの生産を開始、同年秋から高糖度トマトの販売を開始した創業間もない会社です。
御津は、目の前に日本海、振り向けば島根半島の山に囲まれた地域です。
朝は日本海からの海風、夕方には山風が吹き、この御津の環境から生まれるトマトは、他社にない高糖度と旨味のあるトマトです。
30 代の子育て女性を中心に、「愛情と真心」、そして「安心・安全」をキーワードに、清潔なハウス環境を維持しつつ、ハウス内では授粉用のミツバチが飛び回っている中で、自慢の「海辺のトマト」を生産しています。
当社の一押し商品は、私たちが丹精込めて育てた高糖度と旨味のある中玉トマト「海辺のトマト」です。
「甘味」、「旨味」、「酸味」のバランスがとれた中玉トマトで、食べて頂いたお客様から、甘いだけでない美味しいトマトと好評です。
生産量も未だ少なく、県内の一部ホテル、旅館で使用いただいているほか、県内のこだわりのあるスーパーなどで販売しています。今後ハウスを増設しみなさまに食べて頂けるよう頑張っています。
県内の農業コンサルティング会社の支援を得て、「アイメック」農法の高糖度トマト生産技術習得のための試験栽培を行っていた頃、社内での商品名検討の参考とするため、一般社団法人 島根県発明協会主催のネーミングセミナーに参加した折に、当窓口に挨拶に来られたのがきっかけです。
ネーミングセミナー参加の趣旨をお聞きし、高糖度トマトは各地で生産されていることから、現在は需要あるが、将来安定して売れる保証はないこと、そのためには競合他社との差別化が必要な旨助言しました。そして、ネーミングありきではなく、ブランド戦略が重要であり、ブランドに精通した専門家を紹介しました。
専門家と共に商品の魅力(価値)を見直し、商品コンセプトの検討を支援しました。そして、この商品コンセプトに則した更なる支援のため、専門家と共にブランド名「海辺のトマト」を決定し、併せて同ロゴマークのほか、パッケージデザイン、リーフレット、チラシ等制作を支援しました。また、上記ロゴマークについて商標登録出願の支援も行いました(商願2019-34149)。
当初は高糖度トマトであれば売れると考えられていましたが、県内外において類似商品が多々あり、みなさん販路で行き詰まり困っている実態を再認識されましたが、専門家のアドバイスから顧客に伝えたい商品の価値の見直し、その魅力をどう顧客に伝えていけばよいかといった、商品を売るための仕掛けづくりを実践し、対応いただけたことは大きな成果だと思います。
生産開始間もないにも係わらず、半年で売上約500 万円を達成、新たに3名雇用できました。今後は2号ハウスを増設し年間売上5000 万円を目指しています。また、都会への販路開拓も考えています。
ブランド戦略を学ぶことにより、継続して安定して売るための仕掛けが少し分かったような気がします。みなさんも知財総合支援窓口に気軽に相談してみて下さい。
さんちゃんファームでは、H30 年秋から「海辺のトマト」生産販売を開始されましたが、生産が追い付かず、第2 号ハウスを増設されています。本当にブランド戦略を学び実践されて良かったと思います。また、加工品なども検討されていますので、今後も支援したいと考えています。 (福代 功一)
高糖度トマトのブランド戦略支援(456.5 KB)
掲載年月日:2019年7月23日