キメチェンで吊足場の安全性を約束

企業情報

所在地

鳥取県鳥取市

ホームページ URL

http://www.tokunagagumi.com/

設立年

2006 年

業 種

建設業

従業員数

16 人

資本金

５00 万円

企業概要

　当社は、らっきょうの産地としても有名な鳥取県鳥取市福部町に位置する建設業（とび・土木工事）を行っている企業です。私たちは、極めて危険度の高い橋梁の仮設吊足場を得意とし、足場作業の安全性と効率性を向上し、危険リスクの低減化を図るため、独自の部材開発等も行っています。
　足場は建築中に設営され、建築物が完成すれば取り壊される儚き存在ですが、作業をする人たちの安全や命を守るために、なくてはならない非常に重要な役割があり、当社は「建築現場（足場工事）に100%の安全を提供する」をモットーにしております。

自社の強み

　当社の強みは、橋梁仮設吊足場工事のスペシャリスト集団であることです。現場のニーズを労働安全衛生規則（足場等関係）と技術的側面から把握し、安全な作業環境を整備し確保することは使命だと考えています。
　足場工事の現場は概して自然環境下にあり、立地条件に対応した作業システムの最適設計が要請されるところ、その現場対応技術は、当社が蓄積してきた知的資産でもあります。この知的資産から発芽したアイデアを具現化した安全ツールが、後述の「キメチェン」と称する「吊りチェーン調整具」です。

一押し商品

　当社の一押し商品は「キメチェン」です。その特徴は、吊足場工事で使用される吊りチェーンに装着され、過負荷によりチェーンの伸び変形（不可視）が進行すると、調整具自体が屈曲変形し、異常発生を目視により察知可能（見える化）とするものです。以下の知的財産権を取得しています。
・特許第6377105 号「張架・牽引材長さ調節装置」
・意匠登録第1570942 号「張架・牽引材長さ調節装置」
・商標登録第5998974 号「キメチェン」第６類（金属製金具，他）
・NETIS 登録番号：CG-170012-A「吊りチェーン調整具」
・鳥取県新技術・新工法活用システム登録番号：MA280315-66「吊りチェーン調整具」

知財総合支援窓口活用の概要（記：窓口担当者）

窓口活用のきっかけ

　同社の現場対応技術から安全ツールの新規開発を支援していた公益財団法人 鳥取県産業振興機構の企業支援担当者から、新規開発における知的財産支援要請があり、この企業支援担当者との連携をきっかけとして支援を開始しました。

最初の相談概要

　当初の相談では｢新規事業への取り組みと問題点｣について聴取を行い、開発段階における知的財産側面の課題認識を共有し、特許、意匠及び商標の権利化を重要視して、先行技術調査、意匠調査及び商標調査による課題抽出等を支援する出願前の相談対応から始まりました。

その後の相談概要

　その後、ほぼ隔月のペースで新規事業の核となる「吊りチェーン調整具」の開発を連携支援し、数次の試作段階を経て、出願に至りました（特許出願２、意匠登録出願１件、商標登録出願１件）。この間、専門家（弁理士）相談を複数回利用して、知財戦略（共同出願契約、職務発明規程、実施権設定契約等）を整備しながら、意匠、商標の権利取得を果たし、追って特許取得に至りました（特許第６３７７１０５号、他１件は出願係属中）。また、特許については減免制度を紹介し、活用されています。

窓口を活用して変わったところ

　同社は、ものづくりには不慣れで、当初、知財意識は希薄でしたが、吊りチェーン調整具「キメチェン」の開発支援を通じて、特許はもとより意匠、商標の権利保護の重要性を認識するようになりました。専門家（弁理士）と支援機関との連携支援、とりわけ知財戦略への助言が製品開発から事業化への駆動力となりました。こうしたなかで、本事業を推進するため、公益財団法人 鳥取県産業振興機構の支援を得て新会社を設立され、特許製品「キメチェン」の独占的な製造・販売を行っています。

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企業からのメッセージ

　当社は、とび・土木工事での足場工事、とりわけ橋梁仮設吊足場工事のスペシャリスト集団ですから、施工現場が活動場所です。知財総合支援窓口の利用を通じて、現場対応技術が知的資産であり、現場のニーズがアイデアの源泉であることに気づきました。そのアイデアをカタチにし、活用してゆくまでには、プロセスがあるということにも気づきました。

窓口担当者から一言

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掲載年月日：2019年7月22日