当社は昭和24年創業の羊かんメーカーです。富士山周辺、伊豆、箱根地域のお土産店様を中心に、羊かんをはじめとした、土産菓子を製造、卸販売しています。近年では、OEMでの羊かん製造や、贈答用水羊かんのネット販売にも力を入れております。
当社が立地しております三島市は「水の都」として知られており、富士山の伏流水が豊富なことで有名です。当社製品は、この富士山の伏流水を使うと共に、三島市の技能功労賞を頂いた先輩等から受け継いだ伝統の羊かん工法を頑なに守り、練り時間/温度管理/糖度等に長年のノウハウを蓄積しています。このことが、食味の評価の高さに結びついており、当社の強みとなっています。
「春吉富士」が当社の一押し商品です。
四季折々に様々な姿を見せる富士山を主力商品の富士山羊かんで表現しました。こだわりの素材を組み合わせた、6種6味の富士山羊かんをお楽しみいただけます。
カラフルで見た目にも可愛いことから、若い女性のお客様にも手にとっていただける商品となっています。その結果、「おみやげグランプリ2019」では、準グランプリを受賞。海外からお越しになられる旅行者の方々にも、日本をイメージできるお菓子として注目されております。
同社が助言を受けていたコンサルタントに商標権取得を勧められたことをきっかけに、新たなブランドの商品名を商標登録出願するため、当窓口に相談に来られました。
同社が商標登録出願を希望されていたネーミング案は、識別力の無いものでした。そこで、商標制度について説明すると共に、ネーミングの再検討を提案しました。ついで、ネーミングの商標登録出願について相談いただきました。この時のネーミング案は、類似の商標が存在し、残念ながら出願されても権利化出来ない可能性が高いと思われました。
その後、相談者の抱える事業上の問題点が把握されました。そこで、これまでのビジネスモデルの見直しも含めたブランド戦略立案を提案しました。専門家(中小企業診断士)による支援も活用し「春吉富士」という新ブランドの立ち上げに至りました。加えてよろず支援拠点等、他の支援機関とも連携して販路拡大の支援を行いました。
また、「パッケージデザインの見直しをしたい」とのご相談もあり、デザインに精通した専門家と共に、ブランディングと併せて検討を行いました。
同社の場合、当初は、「ブランド」というものの認識が乏しく、ノーブランド品ビジネスに陥ってしまっていました。そのことが事業上の大きな課題として把握されたことから、ブランドの重要性を認識いただき、商標権も取得。パッケージも富士山を表現した、カラフルで見た目も可愛いものとなり、ビジネスモデルの転換に取り組んでいただいています。その結果、販路の拡大に加え「おみやげグランプリ2019」では、準グランプリを受賞されました。メディアへの露出も増え、注目度もUP。事業は着実に改善してきています。
企業における知財管理/ブランド(商標)の重要性(会社、商品を守る)を教わり、また着手順等も指導してもらえます。おススメです。
「会社の活気を取り戻したい!」という熱い思いが、「おみやげグランプリ2019」における準グランプリの受賞につながったと思います。しかし、ブランドとしての「春吉富士」はまだまだ認知されていません。さらに認知度を高め、確固たるブランドとして成長されるよう引き続き取り組まれることを期待しています。 (中村 宏之)
ブランド確立によるビジネスモデルの転換支援(562.1 KB)
掲載年月日:2019年10月23日
更新年月日:2022年8月 8日