東京からの移動時間距離が全国で一番遠い都市として紹介された、島根県中央部に位置する江津市で、建築資材の販売、一般建築工事業、苔の生産・販売を行っています。
未だ小さな会社ですが、丁寧な仕事を心掛け、地域のみなさまから、信頼できる会社として愛されるよう、従業員全員日々奮闘しています。
当社は、建築資材の卸・小売業として起業した企業ですが、現在は新築・リフォームにおける材工一式の建築会社として変遷を遂げ、地元を中心に地域密着型企業として事業を行っています。
また、地域内の耕作放棄地の有効利用、働ける場所の創出のため、新たに苔事業に参入しました。そして、耕作放棄地の借り上げ、地域住民に農業の手助けを依頼することにより、地域相互の収入UPと安定収入確保のため、地域と一体となって活動しています。今後、地域との交流をより深め、地域密着型企業として地域と共に飛躍できればと考えています。
当社の一押し商品は、平成27年から開始した苔です。苔は、和風庭園や盆栽、テラリウムなどで使用されています。
山陰は曇りの多い地域ですが、この気候が苔の栽培に適した環境で、高品質の苔を安定して生産することができます。
苔の生産事業に参入して間もないですが、市場での「石州這苔屋」ブランドも徐々に浸透し、造園業者はもとより雑貨販売業者などからの引き合いも増えています。
商工会議所の経営指導員を介して、ビル等の壁面装着用の苔壁マットの知的財産権での保護について相談があったのがきっかけです。当社は、島根県江津市が支援する江津苔プロジェクトに参加し、苔の生産販売事業を開始。販路拡大に向け、建造物の屋上・壁面緑化事業参入を目指し、苔壁マットの商品開発を行っていました。
苔壁マットの販売戦略として知的財産権活用を検討につき、特許・実用新案制度概要及び先行技術調査を助言の上、専門家派遣(弁理士)を実施しました。最終的に実用新案を出願いただきました。(実用新案登録第3209914号)
苔の屋上・壁面緑化業界が縮小傾向で、苔壁マットから苔自体の販売に移行しましたが、売上低迷のため事業存続も危い状況にありました。そのため、改めて専門家派遣(中小企業診断士)を実施し、顧客ターゲット、自社商品の優位性、差別化等の現状課題と対応策について助言しました。そして、着実に取り組んでいただいた結果、徐々に売上も伸び、事業継続はもちろん、地域の苔生産者から購入するまでになりました。
自社苔の価値を「高品質と安定供給」と定め、自社ブランド「石州這苔屋」(商標登録6221961)を立上げて展示会参加や営業活動を行った結果、市場での信頼性向上とブランド力向上に伴い、顧客数も徐々に増え、当初目標を上回る売上高1200万円を達成できました。ブランド戦略の重要性を認識いただいたと思います。
自社苔事業の継続も半分諦めていましたが、専門家から助言いただいた課題と対応策を一つ一つ取り組むことにより、大幅な売上UPを図ることができ、瓢箪から駒が出た気持ちです。また、苔事業拡大に伴い、周辺の生産農家から苔を購入するなど、地域貢献もでき大変うれしく思います。本当に知財総合支援窓口に相談して良かったと思います。ありがとうございました。
専門家から助言された課題や対応策を的確に遂行し、想像を超える勢いで売上UPを図られたことは、私自身も驚きでしたが、本当に支援して良かったと思います。更なる成長も期待できるので今後が楽しみです。継続して支援したいと思います。 (福代 功一)
苔事業の販売戦略の見直し支援(780.4 KB)
掲載年月日:2019年11月 5日
更新年月日:2022年8月18日