窓口支援事例
鹿児島県農政部
商標海外展開

県産農林水産物の輸出に使用する商標の保護

企業情報

所在地
鹿児島県鹿児島市
ホームページ URL
http://www.pref.kagoshima.jp/kenmin/index.html
設立年
1871年
業 種
公務
従業員数
-
資本金
-

企業概要

 鹿児島県は、南北600キロメートルにわたり、温暖な気候や全国第2位の広い畑地などを生かした野菜、花き、茶などの生産が盛んです。また、豚、肉用牛(黒毛和種)の飼養頭数は日本一、ブロイラー(食用のにわとり)の飼養羽数は第2位の畜産県です。
 農業を地域の経済を支える基幹産業として位置づけ、水田や畑の基盤整備や、消費者や市場に評価・信頼される産地づくり、安心・安全な食の供給などの取組を積極的に進めています。

自社の強み

 鹿児島県産農畜産物は、牛肉を中心に、豚肉、お茶、さつまいもなどが輸出されており、平成30年度の輸出額は約107億円と、7年前の約8倍となり過去最高を更新しています。(林・水産物を含む県産農林水産物全体の輸出額は約227億円で,過去最高を更新)
 輸出先を国・地域別に見ると、輸出額の約4割が香港で、次いで米国、台湾、EUとなっています。輸出品目では、香港や台湾などのアジア向けは牛肉のほか、さつまいもなどの青果物が、米国やEU向けはほとんどが牛肉で、お茶も輸出されています。

一押し商品

【鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン】の重点品目
・牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵
・お茶、さつまいも、きんかん
・丸太
・養殖ブリ、カンパチ

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 鹿児島県が、県内企業が農林水産物を輸出する際に商標として使用する統一ロゴマークを、公募により制定することとなり、このロゴマークを輸出対象国において商標保護する必要が生じたことから、当窓口に相談がありました。

最初の相談概要

 2019年春から国内外の展示会等で統一ロゴマークを公開予定であり、特に海外での冒認出願を防止して商標権を取得する必要がありました。先ず基礎となる国内商標を出願し、権利取得後にマドプロ出願する、という取り組みの大枠を決定しました。しかし、最初の相談(2018年7月)から日程に余裕がなく、最短で取り組む必要がありました。

その後の相談概要

 具体的な実行計画として、①ロゴマーク選定(2018年9月)、②国内出願(同年10月)、③国内登録(2019年2月:展示会開催前)、④マドプロ出願(同年4月:優先期間内)を目標設定として、スケジュールを立てました。この計画を必達するための手段として、電子出願および早期審査を活用した国内審査期間の短縮、拒絶理由通知リスクに対抗した公募第1および第2ロゴマークでの国内同時出願、を実施しました。要所々々で専門家(弁理士)の適切な助言を受け、計画通りに公募第1ロゴマークについて国内で権利を取得し、マドプロ出願も完了することができました。現在、香港、中国、台湾等で順次外国登録が進んでいます。

窓口を活用して変わったところ

 2019年度より県農政部内に「かごしまの食輸出戦略室」が新設され、現在取得が進んでいる外国商標を積極的に活用する体制が構築されつつあります。加えて、今回の相談をとおして、県本庁内に電子出願システムを整備する等により、県による知財活動推進力の向上を図ることができました。また、当窓口との協力関係の醸成も図られ、県が取り組んでいる6次産業化の推進においても、当窓口を積極的に活用していただいております。


企業からのメッセージ

 鹿児島県では、平成30年3月に「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」を策定しました。 当ビジョンは、令和7年度の県産農林水産物の輸出額を約300億円まで拡大することを目標として、輸出重点品目、輸出重点国・地域を明確にした上で、戦略的な取組を展開していくことを示す計画です。今回、登録にご協力いただいた統一ロゴマークを県産農林水産物の輸出に取り組む事業者に広く活用していただきながら、計画の実現に向けて取り組んでいきたいと思います。

窓口担当者から一言

 限られた時間の中で確実に知財権利化を達成する必要があったため、プレッシャーを感じながらの支援でしたが、計画通りの成果が得られたことで、当窓口の利用価値を示すことができました。今回の成果は、相談者との間の緊密な連携と協調により達成できたと感じます。 (亀井 英徳)

県産農林水産物の輸出に使用する商標の保護(457.0 KB)

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掲載年月日:2019年11月 6日

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