窓口支援事例
株式会社島田製作所
特許商標契約・法務

協力企業との契約を生かした新商品の開発

企業情報

所在地
群馬県高崎市双葉町11-17
ホームページ URL
http://k-shimada-ss.com/
設立年
1954年
業 種
製造業
従業員数
31人
資本金
1000万円

企業概要

 当社は、昭和29年の創業以来、筆記用具の金属ボディーのプレス加工を主業務としてきました。金属ボディーの加工は、難易度の高い「深絞り技術」が求められ、さまざまなノウハウを積み重ねてきました。この深絞り技術とは、金属の材質によって異なりますが、通常、入口の径に対して、それ以上の長さの製品に成型することを「深絞り」と呼んでいます。下写真の金色の円筒形状品のように平板を少しずつ深く、細くしていき、最終的に目的の深さ(長さ)と細さの製品を整形する技術であり、製品の長さが長くなればなるほど、多くの金型が必要となり、加工の難易度が上がります。

自社の強み

 主な生産品目としては、ボールペンや万年筆のボディーや替え芯、化粧筆ボディー等の深絞りプレス製品となっています。筆記具の深絞りができるプレス業者は激減しており、全国でも数社程度しか存在しません。そのような中、当社は、日本の筆記具メーカーからプレスの深絞り技術で高い信頼を得ることができています。

一押し商品

 令和元年7月より、弊社販売サイト e-penshimda.com で販売を開始した、「抗菌ステンレスボールペン KASARO」。
 令和2年度の群馬県「Fashionable Gunma 商品プロデュース」事業にて、デザイナー山崎勇人氏により、ロゴ及びパッケージの刷新を行いました。プロデザイナーのデザインにより、抗菌・清潔・継続をキーワードに、より清潔感のある、ロゴ、パッケージとなりました。また、同年、カサロノック式を開発、大手食品加工メーカーにも採用され、令和3年度、グッドデザインぐんまにも選定されました。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は深絞りプレス技術を生かした筆記具等の製造が主な事業であり、過去にも加工技術や筆記具意匠等について知的財産を取得・活用した経験があります。この度、県外の企業グループの協力の下、抗菌ステンレスボールペンの開発に成功しました。しかしながら、商品化に当たり、他社の追随が予想されることから、知的財産制度を活用した優位性確保の検討を始めることになりました。

最初の相談概要

 抗菌ステンレス素材で筆記具を製造することを特許で保護できないかとの最初の相談に対し、専門家(弁理士)とともに、公知技術の組み合わせによる進歩性の検討や出願によるノウハウ流出のリスク、意匠や商標による保護の可能性等についてアドバイスを行いました。

その後の相談概要

 その後商品化が進み、県外企業グループとの契約の重要性が課題として浮上してきたことから、専門家(弁護士)とともに契約内容の整理作業(部材供給、後加工、更には商標権の使用許諾)と交渉の進め方等について支援を行い、最終的には筆記具分野で同社が独占的に商品化を可能とする契約を結ぶことができました。また、商品名「KASARO」等の商標出願の支援も行い、商品の発売へと至りました。

窓口を活用して変わったところ

 一連の専門家(弁護士)の支援を通じて、知的財産の活用における契約の重要性に気づいていただけたことは大きな成果であると考えます。また、今回の商品開発においては若手社員の活躍が目立ったとも聞いております、今後の同社の発展につながっていくものと思います。


企業からのメッセージ

 知財総合支援窓口には、以前より、意匠登録等、相談に乗って頂いていました。
今回、新ロゴ商標の相談及び、韓国バイヤーとのカサロ販売契約書作成においては、知的財産部分に関して、親身に相談、対応頂きました。

窓口担当者から一言

同社は、今回の商品「KASARO」のブランド化、シリーズ化を進め、食品工場や医療機関等の新たな市場や海外への展開も計画中です。今後も継続した支援を進めていきたいと考えます。 (神林 賢蔵)

協力企業との契約を生かした新商品の開発(540.3 KB)

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掲載年月日:2019年11月11日

更新年月日:2022年9月 8日

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