窓口支援事例
株式会社晃伸製機
デザイン営業秘密・ノウハウ海外展開

クリーンな養鶏場を世界へ

企業情報

所在地
愛知県あま市
ホームページ URL
https://www.kohshin-s.jp/companyinfo-jp
設立年
1972年
業 種
製造業
従業員数
35人
資本金
2000万円

企業概要

 日本だけに限らず世界中で、環境を保護することは私たちにとっての最重要課題になっています。世界各地での畜産業界の成長に伴い、いかに地球環境を美しく保ち、次の世代に引き渡せるかという課題に直面しています。問題はどのようにして環境に優しく、且持続可能な方法で成し遂げるかということです。農場の方々そして地球環境、双方の問題解決の助力なる機械を製造し、開発し続けることが我々の使命であると考えています。
 事業内容:養鶏用自動化システム・畜糞処理機械及び採卵養鶏向け機械(発酵機、臭気軽減システム、一次発酵槽、送風システム、発酵型乾燥機、乾燥機、洗浄機シリーズ、鶏舎設備)、産業廃棄物処理機械の各製造

自社の強み

 「物価の優等生」という言葉で表現されるように、60年ほど価格がほとんど変わらない鶏卵。安価に供給し続けられるのは、養鶏場が大型化して、大量生産できるようになったからです。ここで問題となるのが畜糞です。
 当社の除糞機や乾燥機により、処理場に集められた生糞を撹拌して発酵を促し、3週間ほどで堅い粒状にします。こうして処理された畜糞は、驚くことに臭いもなくクリーンです。手間や経費はかかっても決して売りっぱなしにはせず、今でも世界各国に散らばる取引先のもとに年に一度は訪問し、1人ひとりのお客様を大切にしたいという思いで仕事を進めています。

一押し商品

 当社の発酵機は、小規模から大規模の処理まで様々な機種を取り揃えています。効率よく発酵し、短期間で高品質な製品を作るのに適しています。ナタ刃型の爪を採用することにより、糞を山形のように集め、表面積を増加させることで発酵に必要な大量の空気を能率的に供給することが可能です。
 また、原料を細かく砕くため、均一でペレット化された最終製品を作ることができます。なお、採卵鶏の糞であれば最終製品の半分以上を自然にペレット化します。また、機械のフレームは全て亜鉛メッキが施されているため、高い耐久性も持ち合わせております。機械の運転やメンテナンスも簡単です。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 愛知県より経営革新計画の承認を受けた企業などに対して、電話により当窓口の支援メニューの紹介を行っており、電話をきっかけに支援が開始しました。同社専務からは「経験のある従業員が他社に転職することについてアドバイスしてほしい。また、海外企業との契約書について、さらにデザイン戦略についてもアドバイスをしてほしい」とのご相談をいただきました。

最初の相談概要

 同社従業員の転職に伴う機密情報の取扱について、専門家(弁護士)からアドバイスを受けるとともに、営業秘密管理体制の構築を進めるようにアドバイスしました。INPIT知財戦略アドバイザーの支援を受けつつ、保有する情報の把握・評価、秘密情報の決定・対策の選択、規程等の整備が進められました。さらに規程の整備と秘密情報管理台帳の整理が完了した時点で、従業員に対する社内研修を実施しました。

その後の相談概要

 その後は、米国企業との特許に基づく取引契約書の作成についてもご相談があり、INPIT海外知的財産プロデューサーから支援を受け、海外契約書の記載要領、留意事項について説明を受けるとともに、契約書案の問題点を指摘いただきました。また、「ケージ洗浄機」の新型機へのデザイン戦略を求められたため、デザインに精通した専門家から、デザイン開発について、ユーザー・市場等の視点に立った多面的なアドバイスをしていただきました。

窓口を活用して変わったところ

 同社は、今回の支援をきっかけに、営業秘密管理体制構築の重要性を十分に理解され、秘密情報管理規程等を整備されるとともに、従業員に対する社内研修を2回行ったことで、社内に浸透が図られたと思われます。また、海外展開の中で、様々な専門家を活用することで、新しい知見が得られ、経営戦略に役立たせることができたと思われます。


企業からのメッセージ

 当社は、今回の支援をきっかけに、営業秘密管理の重要性や経営戦略を学ばせていただきました。これについて専門家及び窓口担当者のアドバイスを受け、ステップを踏んで営業秘密管理体制を構築することができました。また、INPIT海外知的財産プロデューサーやデザイン・ブランド専門家なども活用させていただきました。知財に関わる課題がありましたら、ぜひ、知財総合支援窓口の利用をお勧めします。

窓口担当者から一言

同社は、従業員の転職という事態から、営業秘密管理の重要性を理解され、規程等の書類整備、従業員に対する社内教育(セミナー)を実施されました。一方、絶え間ない技術開発を進め、積極的に海外へ展開されています。元気な中小企業を知的財産の側面からサポートできたと思います。 (飯島 英雄)

クリーンな養鶏場を世界へ(394.2 KB)

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掲載年月日:2019年12月 5日

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