当社は1988年、青森ヒバの加工・販売を目的として、本州最北端の「大間まぐろ」で有名な大間町で設立され、青森ヒバ健康安眠枕「ひば眠」の販売を開始しました。青森ヒバは青森県の県木であり、よい香りや美しい木肌で抗菌性に優れていることなどが特徴で、その後、当社は「ひば眠」に続きヒバ油を使用した天然芳香剤の販売を開始しました。
1997年には化粧品製造工場を新設し、2009年には地方独立行政法人 青森県産業技術センターと共同開発した「ヒノキチオール・脂肪酸亜鉛複合錯体及びその製造方法」で特許第4423350号を取得して、これを活用した芳香剤・化粧品・入浴剤等の販売を行っています。
当社は天然ヒバのパイオニアとして天然ヒバの育む自然を大切にしながら、その恩恵を最大限に活かした技術や商品開発を強みとしています。当社登録商標を使用している商品の購入者様からは「HIBA LIFEさん」として親しまれ、他社製品との差別化が図られている点を強みとして販路拡大を行っております。2019年10月には当社と青森県産業技術センターとの共有特許が東北地方発明表彰(公益社団法人発明協会主催)で中小企業庁長官賞を受賞し、知事表敬を行ったことでメディアにも広く取り上げられたことが強みとなり、問合せや注文の増加につながっています。
青森ヒバに多く含まれる有効成分ヒノキチオールを配合した当社のスキンケア商品は、皮膚への安全性、光や熱に対する強さの向上により安心してお使いいただけます。
右の写真は当社登録商標を使用している一押し商品群で、右下の石鹸から時計回りに
①化粧せっけん ②入浴剤 ③消臭スプレー ④ヒバ精油 ⑤全身ローション ⑥化粧水 ⑦乳液 ⑧日焼け止めクリーム ⑨シャンプー ⑩コンディショナー ⑩ボディーソープ ⑪ペットボトル入り入浴剤
であり、このうち⑤⑦⑨⑩には、中小企業庁長官賞を受賞した特許技術が活用されています。
同社社長は商品に対する強い想いとともに知的財産権への意識が高く、新商品発売前に出願や権利化に取り組んできました。自社製品を知的財産で守ると共に、社員に自社の知的財産権とそれらを効果的に活用していくことの大切さを意識してもらえるようにと、当窓口を利用するようになりました。
商品ラベルやホームページでの知的財産権の表示等や、商標権の更新及び新たな出願を自社で行うことについて支援しました。また当窓口からのアドバイスで、J-PlatPatを活用して同社が保有する知的財産権の現況一覧を確認することにより新たな視点が生まれ新商品開発のきっかけにもなりました。
新商品の標章の権利化や、イベント出展の際の商品やパンフレット等への知的財産権の表示について助言し、出所がしっかりと表示されたことによって効果的な商品PRが行えるようになりました。また、当窓口から紹介した特許登録料減免制度を利用することで知的財産権維持管理費の削減にもつながりました。
同社は、窓口を利用することで商品開発の段階から知的財産権への社内意識が高まり、取得した商標権の権利範囲をしっかり理解して商品を販売するようになりました。また当社の芳香剤の類似商品を購入した方からの問合せに対して、同社商品は登録商標をラベルに使用していることを説明することで自社ブランドとの違いを理解していただいて差別化を図り、改めて同社の商品を購入いただくようになりました。また県外の催事においても自社商品に自信を持ち、安心して営業活動ができるようになり、売上も前年度比10%ほど増加しています。
特産品を利用した商品開発から販売まで、各段階ごとに知的財産を意識して保護していくことは会社の強みになります。自社ブランドの構築から販路拡大に向けて、自信を持って活動していくために知財総合支援窓口に相談することが重要です。
同社は、県民に親しまれている青森ヒバを利用した商品づくりに知的財産権を効果的に活用しています。芳香剤や化粧品、そして入浴剤等、身の回りで役に立つ商品を通して、これからも会社名である「ヒバ開発」により、豊かで潤いのある「HIBA LIFE」(ヒバライフ)を実現してくれる商品を提供いただきたい思います。 (今野 峰子)
青森の天然ヒバ開発で豊かなヒバライフを提供します(589.2 KB)
掲載年月日:2020年1月30日
更新年月日:2022年9月13日