当社は平成29年、首都圏で企画会社を経営し第一線で活躍していた現代表が帰郷し、元々実家の屋号だった「大友商店」の名前で秋田県内の物産をネット販売するサイトを開設したことから始まりました。
平成30年8月からは地元由利本荘市の大型複合文化施設『カダーレ』内にある物産店「ゆりぷらざ」の営業権を取得し、秋田県内の物産と当店オリジナルの蕎麦とつゆをセットにした「鳥海山麓ごっつぉ蕎麦」などを中心とした地元食材、由利本荘市特産の「ごてんまり」などを販売しています。令和元年より羽後本荘駅前市場に「自由食堂」の営業も開始し、ネット通販、物産店、食堂経営と業態を拡大させています。
当社の強みは代表自身が企画会社の経営者として長年培ってきたユーザーニーズを捉えるセンスと人的ネットワークです。
首都圏の友人からは口コミでの評判がフィードバックされ、それを基に地元の協力者とオリジナル商品を企画、製麺業者と共同で開発した『蕎麦』と『つゆ』に地元の山菜などを組み合わせた「鳥海山麓ごっつぉ蕎麦セット」の発売に至りました。令和元年7月に「鳥海山麓ごっつぉ」を商標登録(商標登録 第6160536号)し、地元の厳選された食材を組み合わせた「鳥海山麓ごっつぉシリーズ」として順次商品化することを計画しています。
地元由利本荘地域には県内でも独特の食文化があり、鳥海山の伏流水から得られる自然の恵みは山菜や蕎麦・饂飩などの加工食品にも活かされています。特に「鳥海山麓ごっつぉ蕎麦」は鳥海山の麓にある矢島町桃野で育まれた原蕎麦を丁寧に全粒挽きした「肉厚」「極太」の田舎蕎麦です。特製のつけ汁でいただくことによって、蕎麦でありながらコシと食感を味わえる独特な風味が堪能できます。右写真は、由利本荘市のふるさと納税返礼品となっている、「鳥海山麓ごっつぉ蕎麦 比内地鶏山菜鍋セット」です。
由利本荘市役所から当窓口を紹介され平成30年6月に大友代表が当窓口を来訪されました。商標登録出願に関しては自身である程度勉強されたらしく、出願書類の下書きを持参されての1回目の相談でした。商品名や役務の説明をきっかけに商品構成や販路開拓まで話題が発展し、弁理士やフードアドバイザーなどの専門家派遣に繋がり、業務拡大に伴い現在も支援を継続しています。
地元の協力者に恵まれたおかげで鳥海高原で栽培した原蕎麦を使い「鳥海山麓ごっつぉ蕎麦」としてネット販売を始めることができました。地元の食材とセットにして「鳥海山麓ごっつぉ〇〇」というような蕎麦以外の商品も開発していきたいため、「鳥海山麓ごっつぉ」を商標登録したいので商標登録に関する手続きや費用について教えて欲しいという相談でした。
商標登録の出願書類の書き方についての支援の後、専門家(弁理士)相談を活用して商品名・役務についてアドバイスしてもらいました。出願書類の作成及び手続きは代表自身が行い、令和元年7月に無事商標登録されました。さらに商品構成・販路拡大についてのアドバイスを受けるためブランドに精通した専門家を派遣し、「さしぼ(イタドリの芽)」など新たな商品開発にも着手しました。
現在大友商店が運営している店舗「ゆりぷらざ」は先代経営者が経営不振を理由に撤退した曰くつきの店舗でしたが、大友商店が引き継いだ後は地元高校生などが放課後に立ち寄れるスポットとしても機能しています。大友代表の積極的に顧客を取り込もうとする意欲と第三者の意見を素直に吸収する柔軟性と発想力で以前の「特産品売店」を「地元食材や軽食も気軽に買える店」に変貌させました。結果、実店舗販売は前年同期比で約10倍の伸びを示し「自由食堂」を加えたことで更に売り上げの伸びが期待できます。
知財総合支援窓口の方から商標登録出願に関する支援や専門家派遣をしていただいた事をきっかけに、「鳥海山麓ごっつぉ蕎麦」をネット通販などを中心に積極的にアピールした結果、総売上も発売初年度の10倍ほどになりました。今後も大友商店オリジナル商品“鳥海山麓ごっつぉシリーズ”として新商品を展開していく予定です。
大友孝徳代表は首都圏における企業経営の経験をいかんなく発揮されて、あっという間に地元に協力者のネットワークを構築されました。センスと行動力、それに人一倍強い郷土愛が、これからも大友商店を発信源として秋田の物産を全国に広めてくれるものと期待しています。 (石川 直人)
「鳥海山麓ごっつぉ」で地域の食材を全国に発信!!(436.5 KB)
掲載年月日:2020年2月14日