窓口支援事例
埼玉県農業技術研究センター
特許意匠契約・法務

中小企業と共同開発したアライグマ捕獲機

企業情報

所在地
埼玉県熊谷市
ホームページ URL
https://www.pref.saitama.lg.jp/soshiki/b0909/index.html
設立年
1900年
業 種
公務
従業員数
120人
資本金
-

企業概要

 埼玉県農業技術研究センター(以下、「当研究センター」という。)は、埼玉県の農業を支え、県民の豊かな食と生活を実現する研究開発と技術支援を行っている機関です。
 センター内には、総務、企画、環境安全、病害虫研究、鳥獣害防除、病害虫防除対策、遺伝子情報活用、水稲育種、野菜育種、酪農、養豚・養鶏、水田高度利用、高収益畑作、施設園芸先端技術、果樹、次世代技術実証普及、農業革新支援の17担当があり、様々な分野で新しい技術の開発や普及、技術支援に努めています。

自社の強み

 当研究センターの研究成果は、埼玉県の農業を支えるほか、豊かな食と生活を実現しています。また、県内各農林振興センターと連携し、試験研究成果の普及や普及指導員の育成に係わる研修等を行っています。
【主な研究と埼玉県ブランド】
 ・暑さに強い水稲品種「彩のきずな」
 ・イチゴ新品種「かおりん」「あまりん」の育成
 ・多目的スプリンクラーによる梨園の省力病害虫防除
 ・みずみずしいジャンボ梨「彩玉」
 ・商品性の高い丸系八つ頭の栽培方法

一押し商品

 特定外来生物であるアライグマの生息拡大に伴い、農作物被害や住宅街汚損や騒音を引き起こす等の被害対策として、『アライグマ専用捕獲器』を当研究センターとメーカーが共同開発しました。
 アライグマの行動特性を分析し、前肢を手のように使って狭い隙間の奥のほうにあるエサを取ろうとする特異的な行動に着目したことで、ほかの動物では作動しない仕組みを作ることができました。現在、錯誤捕獲が問題になっている市町村に向けて導入を推進しています。また、NHKを始めテレビや新聞等でも紹介され売上を伸ばしています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 多くの職員に知的財産について知識を深めてもらい、今後の研究開発に活かしてもらうきっかけとして勉強会等を開いてもらえないかと、当窓口へ来訪されました。同研究センターの課題を抽出・整理し、適宜専門家を利用して、課題に沿った知財セミナーと知財相談会を企画しました。

最初の相談概要

 知財セミナー開催後に行った知財相談会では、アライグマ専用捕獲器の担当者より知的財産の特許出願及び契約支援について相談がありました。特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を使用しての具体的な先行文献調査方法の支援、専門家を活用した支援についても説明しました。

その後の相談概要

 専門家(弁護士)を活用し、中小企業との特許共同出願契約書や特許実施許諾契約書の作成を支援し、無事契約の締結に至りました。アライグマ専用捕獲器に関する特許出願及び意匠登録出願の支援と改良発明の国内優先権主張出願を支援したほか、現在、新たな候補となる共同開発企業との話も進めています。

窓口を活用して変わったところ

 知財セミナーと相談会をきっかけに、契約締結、特許出願等多方面からの支援を行うことにより、ライセンシーによる上市も実現しました。上市後は初年度から右肩上がりに売り上げを伸ばしており(令和元年12月末現在287台)、知的財産を根幹に着実な成果を挙げています。


企業からのメッセージ

 窓口を活用することで、『アライグマ専用捕獲器』の共同開発や共同出願、それに伴う各種契約を進めることができました。今後も県民の豊かな食と生活の実現や、埼玉県内企業の活性化につながるよう、地域経済に資する研究開発に取り組んでいきたいと思います。

窓口担当者から一言

同研究センターで開発される技術や新製品は、事業化に直結し易いものが多いという特徴があります。このように優れた技術や新製品は知的財産権で効果的に保護することが大切である為、同研究センターの職員の協力を得ながら今後も知財関係の支援を継続的に行いたいと思います。
(高橋 洋三)

中小企業と共同開発したアライグマ捕獲機(314.4 KB)

このページを印刷する

掲載年月日:2020年3月24日

トップに戻る
  • 特許庁
  • 経済産業省
  • 独立行政法人
  • 知的財産相談・支援ポータルサイト
  • よろず支援拠点