窓口支援事例
オギクボ開発株式会社
特許契約・法務その他

ソフトウェア特許の権利行使

企業情報

所在地
東京都県杉並区
ホームページ URL
https://www.ogiqvo.com/
設立年
2016年
業 種
情報通信業
従業員数
1人
資本金
300万円

企業概要

 当社は、設立後3年余りの小さなベンチャー企業です。
コンピュータソフトウェアの開発、製造、販売及び保守管理や、各種データ収集、整理及び解析業務などを行っています。
 特に、公共交通機関の運行データや天気予報データ等、時間と共に変化する各種データを、地図情報と組み合わせてリアルタイムで可視化するシステムの開発・販売に注力しています。

自社の強み

 3D地図上に、鉄道、バス等の運行状況をリアルタイムで可視化するソフトウェアを開発し、特許も取得しました(特許第6432904号)。また、このようなリアルタイム交通情報を東京都の3D地図上に表現したWebサイト「HEAVY 4D TOKYO」は、「第1回東京公共交通オープンデータチャレンジ」にて準最優秀賞を受賞しました。当社の技術によって、交通情報等を広範囲な地図上に可視化できる為、従来の地図よりも視認性に優れたものであると認められました。

一押し商品

マップ型デジタルサイネージシステム「FLOWMAP4D」
 例えば、ホテルの近隣地図に、公共交通運行状況のほか、SNSからの飲食店や観光スポット、天気予報など観光客に役立つ各種情報をリアルタイムに取り込むことができ、これらを多元的に表示できるデジタルサイネージシステム「FLOWMAP4D」を他社に先駆けて開発しました。現在、外国人向けにホテルロビーなどに設置されています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 ある日、同社社長が特許に係るシステムと類似のシステムがネット上に公開されていることを発見し、直ちに「政府模倣品・海賊版対策総合窓口(経済産業省)」に相談したところ、当窓口を紹介されました。

最初の相談概要

 社長から、自社保有の特許の存在及びネット上の類似システムをご説明いただき、それぞれを確認しました。このような特許侵害問題については、専門家(弁護士)に相談できることをお伝えし、早速面談を手配しました。同時に、類似システムの実施者の所在を調査するよう助言しました。

その後の相談概要

 2週間後、専門家(弁護士)を交えた協議が実現しました。特許権の範囲と類似システムを比較し、抵触の可能性が高いと判断しました。このような場合、相手方に特許の存在を知らせる必要があります。社長自ら案文を作成し、専門家(弁護士)による助言を経て警告状を発送しました。その結果、相手方は抵触を認め、ソフトウェアを修正する旨の回答がありました。相談から1ヶ月足らずでの解決でした。

窓口を活用して変わったところ

 社長は、同社として初めて取得した特許が侵害阻止に有効かどうか(特許出願した意味があったか)、非常に悩んでおられました。また、小規模企業は軽視されないかとの懸念もありました。しかし、警告状を発送して保有権利を主張することができ、特許制度への信頼を取り戻すことができました。更に、自社技術の特徴を熟考し、新たな市場を開拓するきっかけとなりました。


企業からのメッセージ

 もともと防衛的な意図で取得した特許であったため、侵害発生をあまり想定しておらず、権利侵害の疑いが発覚してから藁にもすがる思いで知財総合支援窓口に相談いたしました。特許関連の係争には解決に数年単位の時間を要する事例がある中、適切な戦略をご提示いただいたおかげで、本件は1ヶ月足らずという極めて短期間で特許侵害状態の解消に至ることができました。大変満足しております。

窓口担当者から一言

スタートアップ企業にとって、特許取得は大きな負担です。それが侵害阻止に使えないとなれば、制度全体への信頼がゆらいでしまいます。そのような危惧の下、当窓口と専門家が一体となって支援し、迅速な解決につながりました。 (金尾 良子)

ソフトウェア特許の権利行使(326.3 KB)

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掲載年月日:2020年4月15日

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