窓口支援事例
株式会社三恵技研工業
特許商標契約・法務

多段培養容器の昇降式旋回装置の知財戦略

企業情報

所在地
茨城県日立市
ホームページ URL
http://www.sankei-giken.co.jp/company.html
設立年
1980年
業 種
製造業
従業員数
25人
資本金
1,000万円

企業概要

お客様のご要望に対し、3次元CADを活用し様々な創意工夫と高度な加工技術によりお客様のイメージに沿った製品を設計し、お客様に満足していただける「ものづくり」を行っています。
板金・製缶加工、表面処理(塗装・鍍金・印刷等)、部品・材料手配、制御配線組立、評価/検査(電機/機械類の計測トレーサビリティ)、立会から調整までの一貫生産により完成品を提供しています。
また、試作品、少量製作、設計・開発支援においても多くの実績を上げています。

自社の強み

当社は、お客様の「つくりたいもの」を「かたち」にする技術・機器提供をしています。
・精密板金、筐体および制御機器配線の設計、機構アセンブリ組立等の総合的な技術を生かし、お客様の仕様に沿った各種機器や装置の設計・製作をいたします。また、ペルチェ効果素子を使って検体を冷却する装置などの仕様の検討、実験、試作、納入まで、お客様の要望を伺いながら、具体的な提案を行っています。
・微量のオイルミストを自動で噴射し、タップ・ボール盤等の刃の摩擦防止を図るような装置も提供することができます。

一押し商品

自社ブランド装置として、細菌やウイルスなどの微生物や細胞を一度に多量に培養できる「多段培養容器の昇降式旋回装置」を開発し、販売を開始しました。
当該装置は、微生物や細胞などを培養する作業者がエアフィルタを設けた安全キャビネット内で多段培養容器を回転させて各培養容器に培養液を注入することが容易となり、さらに多段培養容器を安全キャビネットから負担なく出し入れすることができます(特許第6635490号)。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

同社が、細菌やウイルスなどの微生物を培養する装置の開発を検討し、知的財産の取得について相談をしたいとのことで、茨城県よろず支援拠点から紹介があり、同社を訪問しました。

最初の相談概要

同社は他社との差別化を図るため、特許・実用新案・意匠等の権利化をしたいとの相談があり、開発内容、権利活用を加味し特許での権利化の有効性について助言しました。特許出願を行う上で先行技術調査の重要性についてご理解いただき、特許調査方法や発明の技術ポイントの整理の助言を行いました。また、製品化を検討する場合、市場調査の重要性についても説明しました。

その後の相談概要

同社は、先行技術調査および市場調査をされた結果、市場のニーズにマッチした多段培養容器の昇降式旋回装置の事業化を進めることを判断されました。そこで、専門家(弁理士)を活用して他社技術との差別化ポイント・効果を整理した特許を出願すると共に早期審査を行い、開発を進め製品を市場に投入する前に特許の権利化を図ることができました。

窓口を活用して変わったところ

その後も、ホームページ、カタログに使用している会社ロゴマークの保護の重要性に気づき、窓口を活用しながら自ら願書を作成し、商標登録出願されました。また、取引先との間の契約についても窓口を活用し、これまで取り交わしてきた秘密保持契約の見直しの取り組みを行い、他社との差別化された製品開発を進めるとともに知財管理体制を整えながら事業拡大を図っておられます。


企業からのメッセージ

新製品の開発段階で、侵害していないかどうか事前に先行技術調査を行うことをお勧めします。その際、特許に詳しいものがいない当社においては、知財総合支援窓口の窓口担当者や専門家である弁理士の助言を得ながら開発をでき、かつ特許権を取得することにより他社との差別化が図られたことは大変有意義でした。早めに知財総合支援窓口の支援を活用することをお勧めします。

窓口担当者から一言

同社は、お客様の要望に応えられる製品を、設計から製造・開発まで一貫して取り組み、着実に市場を拡大してこられました。タイムリーな秘密保持契約や特許出願により、自社技術の保護や競争力の強化を図っておられます。今後、海外展開も検討しておられ、継続的に窓口をご活用いただく予定です。 (鈴木 将司)

多段培養容器の昇降式旋回装置の知財戦略(168.4 KB)

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掲載年月日:2020年4月15日

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