窓口支援事例
雪崩予防柵の技術革新および実用化
企業情報
- 所在地
- 札幌市手稲区
- ホームページ URL
- http://www.abien.co.jp/
- 設立年
- 2001年
- 業 種
- 建設業
- 従業員数
- 2人
- 資本金
- 3,000万円
企業紹介
当社は、道路の関連施設に関わる設置工事を多数手掛けている中で、とりわけ道路法面に設置される雪崩予防柵に関して独自の技術を有しています。雪崩予防柵は冬季における山間部の道路保全には必要不可欠なインフラ設備であり、それに関わる自然環境に配慮した穿孔・アンカー工法や、柵上部での巻きだれ・雪庇の崩壊による道路への小雪崩を防ぐ予防材など、雪害対策技術を多数開発し、実用化しています。
相談のきっかけ
同社は、以前より知財に関心があり、5年ほど前から雪崩予防柵上部に発生する巻きだれ・雪庇防止について積極的な取組を開始しました。その際、新技術の権利化について北海道中小企業同友会(窓口連携機関)に相談したところ、当窓口を紹介されました。
支援概要
雪崩予防柵に付帯する雪庇予防材について専門家(弁理士)による意匠出願支援を行うとともに、その後改良を加えた対象物には特許取得への支援を行いました。また、雪崩予防柵を上方位置でワイヤーを介して支えるアンカーパイプの新埋設技術についても相談があり、掘削時の超硬ビットを従来の埋め残し方式から回収方式に変更する新技術を実用化したことにより、周辺器具の意匠出願も支援しました。
直近では雪崩予防柵本体と斜面との配置角度を大幅に見直した新技術の特許出願支援も行い登録になっています。
支援成果
最新式の雪庇予防材については国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録され、2020年度道内及び東北地方の道路で設置が決まりました。また新技術の開発に際しては使用材料の選択、強度評価等、技術要素が多岐に渡り、さらに開発費用も多く掛かることから当窓口では公設試および技術開発補助金制度の有効活用も助言しました。同社にとって、複数の支援機関とのネットワークが構築できました。
企業コメント
知財総合支援窓口の支援を受けた事により、少しではありますが社会に貢献できる企業になり、知財の持つ価値や重要性も、企業経営に役立つ効果を実感しました。アドバイスをして下さる各分野の先生も素晴らしい方達で大変感謝をしております。
窓口担当者コメント
相談者が持っていた技術をブラッシュアップし、時代に即した技術として知財で守り公共工事にも採用された好例です。積雪地域には重要なインフラ設備であり、業界ではトップレベルの技術を有し、知財を経営戦略の重要な項目として取り組まれています。
(浅岡 正光)
雪崩予防柵の技術革新および実用化(974.0 KB)
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掲載年月日:2020年8月31日
更新年月日:2023年1月26日