江戸時代後期、安永9年(1780年)に、豊後の国(大分県)の焼き物細工師・文右衛門が、大谷村において、蟹ヶ谷の赤土で作ったのが大谷焼の起源と伝えられています。大物陶器とそれを焼く登り窯は有名で、日本一と評されています。近年は民芸調の雑器をはじめ、オリジナリティーあふれる芸術品まで、暮らしの中に息づいてきた素朴な暖かさを大切にした意欲的な作品が次々と生まれています。
平成15年の伝統的工芸品(経済産業大臣指定)の指定に引き続いて、地域団体商標登録の認定もいただきました。当初は、出願するかどうか迷っていたのですが、関係機関の支援もあり、無事登録できました。今後は登録をきっかけとして、「大谷焼」の知名度向上をさらに図っていきたいと思います。
6つの窯元が大谷焼の伝統を守りつつ切磋琢磨する中で、日々新しい焼物が作り出されています。すべての窯を巡るも良し、作陶体験をするも良し、是非鳴門市大麻町大谷地区へ足を運んで実際の陶器や窯を見ていただければと思います。
(青木 幸司)
「大谷焼」徳島県11年ぶり地域団体商標登録へ(604.1 KB)
掲載年月日:2021年6月 4日