窓口支援事例
産学連携による耐熱合金金型の共同開発と知財戦略
企業情報
- 所在地
- 大阪府堺市
- ホームページ URL
- http://www.hiten.co.jp/
- 設立年
- 1950年
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
- 45人
- 資本金
- 1,200万円
企業紹介
昭和25年の創業以来、71年にわたり冷間鍛造用、熱間鍛造用金型を主力に、何よりも精度が求められる業界で常に市場ニーズを反映させながら進化を続けてきました。目まぐるしい変化と革新の中、新たに創出し続けるテーマに果敢に取組みながら、金型産業の未来を築けるよう、培った技術力とノウハウを駆使し、さらなる未知の領域に挑んでいます。
相談のきっかけ
航空機・自動車においては、高温状態でも高い強度や硬さを維持する耐熱材料や、高精度な熱間鍛造が求められています。同社は経済産業省の令和元年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に採択され、堺市産業振興センターから「熱間鍛造用インサート金型」の知財戦略の支援要請がありました。
支援概要
専門家(弁理士)を派遣し、堺市産業振興センターのコーディネーターと、大阪府立大学の高強度熱間鍛造用金型材料開発者の教授と同大URAセンターの知財担当者とで、試作品と評価実験データに基づき何度も特許検討を行いました。さらに、特許情報分析活用支援事業を利用し、先行特許調査、侵害予防調査、技術動向調査を行い、その結果をもとに、高精度な熱間鍛造技術について、産学共同による特許出願と共同特許出願契約を支援しました。
支援成果
特許第6128671号を取得され、大阪府立大学とNi基超々合金を用いた「熱間鍛造用インサート金型」の共同出願契約を締結されました。さらに、令和3年に、被加工材の鍛造加工時にケースが高温化することを抑制してケースの冷却を不用とし、成形用金型の温度を高温に保持することができる金型と鍛造装置について特許出願されました。
企業コメント
知財総合支援窓口を活用して、産学連携により大阪府立大学と共同で特許を取得できました。大変な苦労をして開発したNi基超々合金の熱間鍛造用インサート金型は、多くの企業の関心を集め、現在は十数社でテスト中です。評判を得られれば、本格的実用化を進めていきます。
窓口担当者コメント
熱間鍛造用インサート金型について、大阪府立大学との産学連携で強い権利の取得を支援できました。航空機・自動車のエンジン部品の高性能化と高効率生産が可能となり、国内産業の育成と海外競争力の向上を期待しています。
(大野 健造)
産学連携による耐熱合金金型の共同開発と知財戦略(122.4 KB)
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掲載年月日:2021年8月20日