窓口支援事例
普段着としての着物へ、裾のはだけない着物の開発とブランド支援
企業情報
- 所在地
- 京都府京都市
- ホームページ URL
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- 設立年
- 創業検討中
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
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- 資本金
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企業紹介
室町時代の和服から着想を得た、楽に当たり前に着られる衣服としての着物を開発。裾がはだけやすいという着物の欠点を和裁の立場から解決し、あぐらや立て膝でも裾がはだけない着物の設計図を完成させました。従来通りの材料・縫製設備で製造可能なため量産も容易であり、価格・実用性共に現代生活のニーズに合った着物を生産。日常的に身に纏うことの出来る着物として販売活動を行っています。
相談のきっかけ
一級和裁技能士の立場から発想した裾のはだけない着物の縫製方法を知的財産権で保護できないか、とINPIT京都府知財総合支援窓口に相談に来られました。
支援概要
まずは、斬新なアイデアのため特許出願を勧めました。図面作成や着物の専門用語を統一するところで苦労されましたが、広い範囲で特許権を得ることができました(特許第6715545号、第6714761号)。
さらに、特許権を活用し、普段着としての着物文化を普及させるため、製造、販売についての事業化を京都府よろず支援拠点と連携し支援しました。そこで、着物メーカーと製造メーカーへの製造委託に関し、秘密保持契約書と製造委託契約書の締結を支援。さらに、「室町型着物」の商標出願の支援、インドのサリー、民族衣装、「風をまとう」を着眼としたブランド戦略を支援しました(商標登録第6503878号)。
支援成果
特許権2件と商標権を取得、また、室町時代の民族衣装、着物のブランド戦略の方向性を決めることができました。さらに、クラウドファンティングを利用した販路開拓を製造メーカーと計画し、契約書の締結を完了することができました。現在、10着程度の売上をあげており、コロナ禍による生産への影響が治まれば、更なる売上の増加を目指しています。
企業コメント
日本の民族衣装・着物は特別なもの、日常とは離れたものという認識になっていますが、インドのサリーのように誰もが日常的に着られる普段着の和服の普及を考えています。和服の欠点を改善した裾のはだけない着物の特許、室町形着物の商標を権利化でき、販路の方向性が見えるようになりました。
窓口担当者コメント
室町期の装いを参考に、利便性と実用性を兼ね備え、時代のニーズに合った普段着としての和服を普及したいと相談に来られました。「室町型着物」の商標権が得られたことで、理想に叶った普段着の普及が進むと期待されます。今後を楽しみにしています。
(中里 兼次)
普段着としての着物へ、裾のはだけない着物の開発とブランド支援(256.7 KB)
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掲載年月日:2022年4月15日