窓口支援事例
有限会社橋本漆芸
特許海外展開

伝統工芸技術で日本酒に高付加価値を

企業情報

所在地
和歌山県海南市
ホームページ URL
https://makie.co.jp
設立年
1972年
業 種
製造業
従業員数
10人
資本金
500万円

企業紹介

 当社は、輪島塗などとともに日本の四大産地の一つである和歌山に根を下ろし、長年製造を行ってきました。当社の創業は江戸末期、会社としての登記は昭和47年です。伝統的な工芸品として漆器を守るばかりではなく、自社で開発した特許申請や実用新案を行っている最新技術、特殊印刷を用いて漆器の未来を切り開きます。

相談のきっかけ

 同社は、新規事業として酒瓶の加飾加工に取り組んでこられました。現行の手法では対応しきれない数量の引き合いを顧客から受けるようになったのを契機に、公益財団法人わかやま産業振興財団から支援を受けて伝統工芸手法のよさを失うことなく生産をスケールアップできる手段を開発しました。地元の産業機械メーカーと開発を進めるに当たり、開発技術の特許取得を目指してINPIT和歌山県知財総合支援窓口にも支援を要請されました。

支援概要

 特許出願戦略の支援に当たり、専門家(久保田弁理士)を活用しました。加飾加工現場にて、職人を交えて共同開発者の産業機械メーカーと開発技術の特長に関して検討・評価を行い、出願戦略に関してアドバイスを行いました。
 同社は、本製造技術開発の資金調達手段として和歌山県のものづくり支援補助制度(わかやま中小企業元気ファンド)の活用を想定されており、申請に当たり公益財団法人わかやま産業振興財団と連携して必要な支援を行いました。

支援成果

 同社は、本生産技術開発に関して令和6年度わかやま中小企業元気ファンドに採択され、当該産業機械メーカーによる初号機製造が開始されました。当窓口が支援した特許出願に関しても、同社の目標どおり、令和6年3月の東京での国際食品・飲料展への出展前に完了できました。
 同社の本加飾加工を施した日本酒瓶は、日本酒の新たな差別化要因として特に近隣諸外国で好評を博しております。また、国内県外商社とパートナーシップを組んでビジネスが開始されており、今後、生産のスケールアップにより輸出ビジネスの拡大を計画しています。

企業コメント

 今回の支援で、自分たちだけでは知りえることがなかった知識を多角的に教えていただくことができ、事業戦略の根幹となる特許出願に生かすことができました。
 今後の国内外展開に弾みがつく良い成果になりました。

窓口担当者コメント

 同社の伝統工芸手法を活用したこの加飾技術は、中身の日本酒のコンセプトの創作的表現を瓶自体のデザインにより可能にするもので、日本酒の新たな可能性を広げていくものと感じています。今後も同社のチャレンジを支援させていただきたいと思います。 (小林 和史)

伝統工芸技術で日本酒に高付加価値を(120.6 KB)

このページを印刷する

掲載年月日:2024年8月30日

トップに戻る
  • 特許庁
  • 経済産業省
  • 独立行政法人
  • 知的財産相談・支援ポータルサイト
  • よろず支援拠点