窓口支援事例
岡山中央魚市株式会社
商標ブランド

登録商標をブランドとして活用し、卸売業からBtoCビジネスへ

企業情報

所在地
岡山県岡山市南区
ホームページ URL
https://okachu.co.jp/
設立年
1954年
業 種
卸・小売業
従業員数
80人
資本金
10,000万円

企業紹介

 当社は、国による認可を受けた70年の歴史を持つ水産物卸売業者です。物流会社や県外の魚市場に出資し、経営の多角化、近代化を展開しています。令和5年、同前裕一朗社長は、卸売業務の近代化、高度化への取り組み、さらには水産物の消費拡大や地域経済の発展に寄与したことが認められ第44回食品産業優良企業等表彰の食品流通部門において農林水産大臣賞を受賞しました。

相談のきっかけ

 物流の多様化やネット販売の普及により市場外流通が増加しました。コロナ禍においては外食産業の自粛や魚離れが影響し、流通市場の需要が減少していました。そこで、今後は一般消費者へも積極的にアプローチをする必要性を感じ、岡山ならではの自社ブランドの魚介類を売り出すことを企画しINPIT岡山県知財総合支援窓口へ相談に来訪されました。

支援概要

 同社は、白桃の果皮や果汁を使用した独自開発の飼料を鯛に与えて養殖をしており、今後は鯛以外の魚種にも拡大をすることを計画していました。そこで、ブランドを作る際は、1品ごとのペットネームよりファミリーネームまたはコーポレートブランドを作ることが効果的であることを助言し、商標「ピーチフィッシュ(登録第6556218号)」及び「白桃フィッシュ(登録第6556219号)」の出願を支援しました。
また、ブランド化を成し遂げるためには、本商品の共通イメージやブランド価値を浸透させることや競合他社の商品と明確に差別化させることが重要であることなどを助言しました。

支援成果

 水産物卸業を生業とする同社は、本商標を活用することで、経営の多角化を図ることができるようになりました。例えば、飲食業界などこれまで関係が希薄であった企業とのつながりができ始め、「ピーチフィッシュで商品を作りたい」という引き合いも来ているとのことです。岡山県庁の食堂でもこれを使用した料理が提供されているほか、大阪・関西万博の弁当のプロトタイプに食材として採用されました。さらには、ピーチフィッシュのブランド力向上により、鮮魚だけでなくその燻製やフィーレなどの加工品開発にも力を入れ始めています。本取組は、地元紙だけでなく全国紙や各種メディアにも取り上げられ、周知効果も得られています。

企業コメント

 知的財産の知見が小さかった当社に、商標登録の制度から詳しく教えていただきました。例えば、先行商標調査のご助言をしていただき無事に商標権を得ることができ、また、ブランドを知的財産として保護することの重要性を知りました。今後は、生産者や消費者との異業種の間を取り持ち、地域ブランドの水産物をプロデュースしていきたいと思っています。そして、高品質な魚を安定供給していくことで魚食文化を守っていきたいとも考えています。

窓口担当者コメント

 今後は、「ピーチフィッシュ」の持続性と一貫性を保ちつつ競争優位性を有したブランディングを確立していただければと感じています。そしてこの地域ブランドが県外、海外にまで浸透し、同社の1つの事業の柱になればと願っています。 (大橋 和彦)

登録商標をブランドとして活用し、卸売業からBtoCビジネスへ(142.7 KB)

このページを印刷する

掲載年月日:2024年10月30日

トップに戻る
  • 特許庁
  • 経済産業省
  • 独立行政法人
  • 知的財産相談・支援ポータルサイト
  • よろず支援拠点