窓口支援事例
地域の底力「キャップアートパネル」大人気
企業情報
- 所在地
- 愛知県安城市
- ホームページ URL
- https://anjo-cci.or.jp
- 設立年
- 1995年
- 業 種
- 公務
- 従業員数
- 19人
- 資本金
- -
企業紹介
当所は1953年に設立以来、当地域の経済団体として商工業の発展を支援するとともに、幅広い活動を行っています。当地域の高い製造技術を全国に発信するため、呼び掛けに応じた企業と2010年に異業種連携体のアンジョウハーツを立ち上げました。2013年には協同組合を設立し、数多くの世の中にない製品の企画から販売までを一貫して進めてきました。
相談のきっかけ
同所からの呼び掛けに応じて所内に異業種16社による協同組合アンジョウハーツが設立されました。製品の企画、設計、製造、販路開拓、販売業務にいたるすべてを一貫対応し、「世界初は世界一」を合言葉にキャップアートパネル(ペットボトルのキャップをはめ込む教育玩具)を開発されました。これの権利化に関して、同所の二村経営指導員(当時)からの要請で、INPIT愛知県知財総合支援窓口による支援を開始しました。なお、二村氏は協同組合アンジョウハーツ設立に貢献され、現在は安城市産業振興部商工課運営の安城ビジネスコンシェルジュのチーフコーディネーターを務めています。
支援概要
はじめに、キャップアートパネルの意匠出願・中間手続・登録を支援しました。その後類似品が開発されたため、エコキャップ推進協議会へ善処を申し入れるとともに、ドット表示「キャップアートパネル」の商標出願・登録を支援しました。そのほか、ボトロック(プラスチック金型製造の有限会社髙木金型製作)の意匠・商標の出願・登録支援や、きゃぷらも(オーダーメイドノベルティ品)の支援を行いました。また、西三河の6商工会議所の全体会合の機会に、経営指導員全員を対象としたセミナーも2回開催させていただき、テーマ「知財を活用した経営支援策」にキャップアート支援事例などを盛り込んで講演を行いました。
支援成果
環境都市宣言をしている安城市には、全国のベットボトルキャップの3%、月間800万個が集積しています。「キャップアートパネル」は、学校、企業、自治体で、環境関連など多彩なイベントで活躍しており、販売枚数は約43万枚以上であり、日本テレビ「24時間テレビ~愛は地球を救う~」にも取り上げられ、安城市のロングヒット商品となりました。登録意匠は形状変更で権利放棄、登録商標「キャップアート」も10年間だけ権利維持され、協同組合アンジョウハーツも2023年で解散となりましたが、その後は同組合代表理事だったプラスチックリサイクルのフジイ化工株式会社が製品の企画から販売に至る全ての業務を引き継いでいます。なお、セミナー後、刈谷・安城商工会議所などからも車椅子の権利化等の支援依頼があり、引き続き同窓口にて支援を継続しています。
企業コメント
「世界初は世界一」を合言葉に世の中にない新製品の開発を進めてきた当組合において、意匠や商標の出願及び登録は必要不可欠であり、登録方法等についてアドバイスをいただきました。また、後発メーカーが類似品を開発した際にも支援担当者が親身になって相談に応じていただきました。この相談から継続的な接点を持つことができ、現在では当所の経営相談窓口の一つとして知財相談を加え、管内商工業者の皆さまにご利用いただいております。
窓口担当者コメント
同所とは知財総合支援窓口開設当初から連携して中小企業等の経営・知的財産支援を強化してきています。安城市はエコ意識の高い「環境都市」としての地域貢献度も高く、担当された経営指導員の方による「キャップアートパネル」の意匠・商標の出願・登録と、BtoCからBtoBへとアンジョウハーツを経営指導されたことで、10年以上に及ぶロングヒット商品を生みました。総合パンフレットにも記載されている導入先大手企業一覧を見ても、大きな売上げにつながった成果、波及効果は大きいと関係者には喜んでいただいています。
(井上 勝)
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掲載年月日:2024年11月21日