窓口支援事例
有りそうでなかった新形状バルブを知財ミックスで保護して売上拡大!
企業情報
- 所在地
- 山口県光市
- ホームページ URL
-
https://www.fuji-techno.com/
- 設立年
- 1990年
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
- 34人
- 資本金
- 1,000万円
企業紹介
当社は、1990年に創業した油圧機器の専門企業です。油圧応用機器の設計・組立、継手等の配管部品やモーター等油圧機器の販売部門があり、2020年2月にwebカタログ開設、2021年6月からは油圧機器・部品のECサイト「ツギタロウ.com」を立ち上げて小口販売も開始しております。その後、自社開発した新形状バルブを意匠と特許で保護して更なる売上げの拡大を図っております。
相談のきっかけ
INPIT山口県知財総合支援窓口ではECサイト名称の商標登録を支援したのち、売上拡大に向けた継続支援を行っていました。ある日、同社が新形状のバルブを開発したとのことで訪問すると、そのバルブは調整弁が斜めに取り付けられ、制御方向が一目で分かるものでありました。権利化は難しいように感じられましたが、実は微小流量制御に優れていることが分かり、知財保護に向けた支援が始まりました。
支援概要
専門家相談(川角弁理士)では、スロットルチェックバルブの特徴的な形状と微小流量制御に係る助言を行い、まずは意匠で保護することから検討を始めました。最終的には部分意匠での出願を支援し、2023年10月に意匠登録となりました(意匠登録第1756789号)。
意匠出願と並行して、特許出願に向けた専門家相談(川角弁理士)を継続し、微小流量制御と制御方向が判断しやすい形状との関係性について協議を重ねました。課題と解決手段を特定し、作用・効果を確認した上で出願を支援し、2024年2月に特許査定となりました(特許第7440049号)。
支援成果
当窓口が過去に商標登録の支援を行ったECサイト「ツギタロウ.com」を立ち上げ後、徐々に売上げは拡大していき、2023年度は2021年度比約110%に達しています。2024年度上期からは新型バルブの展示会出展、同下期からは販売も始まり、2025年度は同115%への売上げ拡大を目指しています。
また、当窓口の支援が一助となって事業活動が良い方向に進み、中小企業にとって優秀な人材の確保が難しい中、インターンシップ等も活用し3名の従業員を新規に採用することができました。さらには、自社外観検査の効率化を目指して大学との共同研究が始まり、AIを活用した外観検査方法で特許も取得(特許第7583395号)し、さらなる研究を継続しております。
企業コメント
ECサイトの商標登録、新型バルブの意匠登録、特許申請など、INPIT山口県知財総合支援窓口の佐々木様に様々な御支援を頂き、事業活動がどんどん良い方向に進んできております。中小企業に知的財産は縁遠いものだと思っていましたが、相談してみて本当に良かったです。これからも日々の企業活動がより価値があるものになり、社員のみんなが積極的にモチベーション高く働けるように頑張っていきます。
窓口担当者コメント
ECサイトを商標で有名にした後、自社開発製品を特許と意匠で保護して販売するという知財ミックスのお手本が実現しており驚いております。この企業は、社員の半数以上が20代という若い会社であり、また、地元の学生のみで創業したベンチャー企業との協業も進めております。元気のある企業で今後の発展が期待されます。
(佐々木 真二)
有りそうでなかった新形状バルブを知財ミックスで保護して売上拡大!(144.4 KB)
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掲載年月日:2025年4月 4日