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営業秘密管理

質問 秘密情報を特定するために、まず自社の強みとなる情報資産の把握を行いたい。具体的にどのように行えばよいのか?
回答

「自社の強みとなる情報資産」は、個性的な製品や市場シェアの高い製品について、これらの製品を実現する技術やノウハウなどを自社の事業活動の流れに沿って把握します。
例えば、以下のようなものに強みとなる情報が含まれているケースが多く見られます。

製品等を完成させるまでの実験データや、製品の品質・設計基準
製造プロセス、作業マニュアル
仕入れ先、販売先リスト
自社では当たり前と思っているものが他社にとっては重要な情報であることも多いので、第三者の目で再評価するためにも、営業秘密支援窓口(東京)に是非一度ご相談ください。

質問 秘密情報の層別化の基準について教えてもらいたい。
回答

自社の強みとなる情報資産を把握して、これらの情報を例えば以下のように分類します。
(1)「どんなことがあっても他社に伝えない情報」(極秘)
(2)「秘密保持契約を交わせば他社に伝えてもよい情報」(社外秘)
(3)「通常の営業活動で他社(顧客、発注者等)に伝えても良い情報」(一般情報)

質問 取引先から我が社のノウハウの提供を求められている。どうしたらよい?
回答

あらかじめ自社の強みとなる情報資産を把握して、分類して区分ごとに取扱いの基準を定めておきましょう。例えば、以下の3つに区分して、求められたノウハウが何れに該当するかで対応を決めることが考えられます。
(1)「どんなことがあっても他社に伝えない情報」(極秘)
(2)「秘密保持契約を交わせば他社に伝えてもよい情報」(社外秘)
(3)「通常の営業活動で他社(顧客、発注者等)に伝えても良い情報」(一般情報)
また、資料等を開示するのであれば、必要最低限としたうえ、資料等に自社の秘密であることを明記し、開示する前に取引先との間で秘密保持契約を締結しましょう。秘密保持契約書は、平時から、いつでも署名を取れる状態にしておきましょう。

質問 我が社で開発した製品を他社で委託製造することになったが、委託先が勝手に製造販売したり、製造方法を外部に漏らしたりしないようにするためにはどうしたらよいか?
回答

まず、製品に使用される技術の中で、特許や意匠等で権利化した方がよいものは、委託先に開示する前に積極的に出願し権利化しましょう。秘匿化して保護する方が望ましいものは、「営業秘密」として認められるように管理し、委託先に営業秘密を開示する場合には、開示前に委託先に秘密保持義務を負わせる内容を含む契約を締結しましょう。

質問 委託製造の委託先と秘密保持契約を結ぶにあたって、どのような事項を規定すべきか?
回答

秘密保持契約書には、秘密保持の対象とすべき情報、その情報は何の目的にのみ使用できるのか(目的外使用禁止)、契約期間満了後の秘密保持義務などの条項を盛り込む必要があります。
経済産業省知的財産政策室のページ 「営業秘密~営業秘密を守り活用する~」に掲載の「秘密情報の保護ハンドブック」参考資料2には、各種契約書等の参考例も掲載されておりますので、一度ご覧いただければと思います。当窓口では、上記ハンドブックの解説等も可能ですのでご不明な点があればご相談ください。

質問 他者と共同で技術開発を行いたい。秘密保持契約の他、どのようなことに注意する必要があるのか?
回答

秘密保持契約の有効期限は、すべての契約において一律で設定するのではなく、契約ごとに製品のライフサイクルや次期製品の開発時期等の具体的事情や技術内容等に応じて決める必要があります。

質問 秘密保持契約の有効期限はどのように設定すべきか?
回答

秘密保持契約の有効期限は、すべての契約において一律で設定するのではなく、契約ごとに製品のライフサイクルや次期製品の開発時期等の具体的事情や技術内容等に応じて決める必要があります。

質問 我が社は数人程度の従業員からなる小規模の会社なので、管理のルール作りは必要ないのでは?
回答

小規模な会社であっても社内規則等の管理ルールを整備することは重要です。ルールはないが、対象となる情報が秘密情報であって持ち出してはならないことを社員全員が認識していると過信すると、いざというときに法的保護を受けられる可能性が低くなります。
ルールを決めていない場合でも、何が会社の秘密かということや、その取り扱い方を朝礼等で社員に伝え、その内容を文書として記録に残す等、社員に伝わっていることの証拠を残しておくと良いでしょう。

質問 新たに開発中の製品を取引先企業に売り込んだ際、性能試験のためとして試作品の供与を求められた。どのように対応すればよい?
回答

試作品を渡さずに双方立ち会いの上で性能試験のみを行う等の対応策を検討しましょう。試作品を供与するのであれば、事前に取引先との間で目的外(性能試験以外)での使用を禁止した秘密保持契約を締結しましょう。

質問 新規に営業をかける際には重要情報もある程度提供しなければ見向きもしてもらえない。どのように対応すればよい?
回答

重要情報を提供するのであれば、秘密保持契約を結ぶことが望ましい対応です。秘密保持契約書は、書面を予め作成し、平時から、いつでも署名を取れる状態にしておきましょう。営業という立場上、相手方によっては、秘密保持契約を結ぶのを躊躇することもあるかもしれません。そのような場合には、段階的な開示を検討しましょう。

質問 展示会に出展する予定がある。展示内容について、どのようなことに注意すればよいか?
回答

展示会は、販路の開拓やパートナー探しに有効な手段の一つですが、情報流出のきっかけとなる場合もあります。事前に、特許などによる権利化ができるものは出願しておきましょう。また、企業パンフレットや製品カタログ等の配布物、プロモーション映像や商品サンプル等の展示物、さらには営業トークについて、他社に伝えてはならない情報が含まれることのないように確認しましょう。

質問 取引先や学校の生徒等、工場見学を受け入れる機会が多い。営業秘密管理について、どのようなことに注意すればよいか?
回答

他社に伝えてはならない情報が伝わらないように、見学ルートや説明内容は、あらかじめ決めておくことが重要です。また、工場内に「写真・動画撮影禁止」や「関係者以外立ち入り禁止」の表示をしたり、それ自体が営業秘密である機械等をブルーシートなどで覆ったりといった対策や、場合に応じて見学者の名簿を提出してもらうことも有効でしょう。

質問 社員がライバル会社に転職した。秘密保持契約書を作成したが押印を断られ、競業避止契約書も用意していなかった。将来的な情報の流出を危惧しているが、法的な措置をとる必要があるか?
回答

現状、侵害行為・違法行為を把握できていないのであれば、法的手段をとることは難しいと考えます。まずは、以下のように段階的な調査・確認を行いましょう。
(1)元社員が情報を不正に取得していたか否か
(2)正当に取得していたとしても、元社員が自己の利益を図る目的、自社に害を加える目的でその情報を転職先のライバル企業等で不正使用・開示するか否かを継続調査・監視
状況によっては、差止請求や損害賠償請求といった法的手段を取り得る場合があることを元従業員や転職先に通知することも対応策として検討しましょう。

質問 他社を退職した技術者を採用したい。どのような点に注意すればよいか?
回答

他社を退職した技術者を採用する際には、他社の営業秘密を持ち込まれないように、転職者の持ち込む情報には十分に注意する必要があります。特に、競合他社からの転職者を採用する場合には注意が必要です。
例えば、以下の対策をとることが考えられます。
(1)前の会社を辞める時に約束した事項(秘密保持義務、競業避止義務等)を聞き取り
(2)聞き取った事項、その内容に相違ないこと及び新しい会社で前職の秘密情報を使用しない旨を記載した誓約書を作成
(3)中途採用の受け入れに際して誓約書に署名捺印してもらい、大事に保管

なお、言うまでもありませんが、他社の営業秘密の取得を目的とした採用活動を行ってはいけません。

質問 似たような製品を他社が出した。ノウハウが社員から漏れたのでは?
回答

まず、当該製品に関わる自社の知的財産権を確認して、特許権侵害、意匠権侵害、商標権侵害等がないかを検討しましょう。また、ノウハウが社員から漏れたことが疑われる状況では、他社と接触の可能性のある社員(退職者、転職者を含む。)を割り出し、営業秘密の不正な持ち出しや他社への開示があったかどうかを調査する必要があります。

質問 転職しようとする社員に対して、どのような契約を結べばよいか?
回答

自社が有する営業秘密を転職先で使わせないための秘密保持契約や競業避止契約を結ぶことが考えられます。退職時にスムーズに秘密保持契約等を交わすことができるように、予め就業規則や秘密情報管理規程等に退職時(退職者)のルールを定めておき、周知しておくと効率的です。

質問 退職後の競業避止義務を定める場合、どのような点に注意すべきか。
回答

一般的には、
(1)守るべき会社の利益
(2)退職者の従前の地位
(3)制限の範囲(期間、地域、具体的な業務内容・対象)
(4)代償措置の有無・内容
の4点を総合的に判断して定める必要があります。
ただし、競業の制限が合理的範囲を超え、職業選択の自由等を不当に拘束する場合には、公序良俗に反して契約自体が無効とされる場合があります。

質問 退職者が起業した会社に仕事をとられた。技術情報を不正に使用されているのではないか?
回答

まずは事実確認が重要です。当該退職者の退職前後のサーバ・PCへのアクセスやメールのログ、ダウンロードデータの内容などを確認し、退職時に未返却の自社情報や物がないかも確認するようにしましょう。

質問 金型の図面を顧客(発注者)が他社に流出させた。不正競争防止法による保護が受けられるのか?
回答

提供した金型図面について、顧客企業との取引契約上において秘密保持義務が課されていた場合には、顧客企業の行為は契約違反や不正競争防止法(第2条第1項第7号)違反に該当する可能性があります。
仮に事前に秘密保持契約を結んでいなかったとしても、金型図面に自社の秘密であることが明記されている等、秘密として扱われる情報であることが明らかである場合には、顧客企業に通告が出来る場合もあります。

質問 秘密情報の漏えいはどうしたら防げるのか?
回答

まずは、何が会社の秘密かを特定して、従業員等の間で共通認識を持てるようにしましょう。そして、以下のような観点から対策を講じるとよいでしょう。個々の会社の状況に応じた具体的な対策については、INPITの営業秘密支援窓口(東京)にご相談ください。
(1)秘密情報へのアクセス権を適切に設定・管理して秘密情報に近寄りにくくすること(接近の制御)
(2)アクセス権を持っている人が情報を持ち出さないようにすること(持ち出し困難化)
(3)秘密情報の漏えいを行ったとしても見つかってしまう可能性が高い状態であると認識させるような状況を作り出すこと(視認性の確保)
(4)秘密情報には秘密である旨の表示をしたうえ、この情報は外に漏らしてはならないというルールを策定して、「秘密情報と思わなかった」という事態を招かないこと(秘密情報に対する認識向上)
(5)職場環境の整備などで従業員の企業への帰属意識を高め、秘密情報を持ち出そうという考えを起こさせないこと(信頼関係の維持・向上)

質問 ネット上の情報は、秘密等の旨、記載がないものは使用して良いか。
回答

明らかに問題ないものや他でも公表されたものは問題ありませんが、ネット上の情報は誰かが営業秘密を故意又は悪意等で掲載している場合もあるので、疑義がある場合は使用しないのが良いでしょう。

質問 我が社は受託開発・製造が多いが、依頼元に開発製品を納入したところ、その納入品をリバースエンジニアリングして他社に製造委託されたことがあった。このような場合、どのように対応すべきであったか。
回答

依頼元からの特注品であれば個別の秘密保持契約が可能かと思うので、その契約にて秘密である旨と、目的外での使用禁止、競業・下請けの禁止などを明記するのが良いでしょう。場合によっては、リバースエンジニアリングの禁止、コア部品のブラックボックス化なども検討しましょう。
また、相手方から権利を主張される可能性に備え、受託開発・製造によって生まれた発明の帰属は契約等で明らかにしておき、受託開発・製造に依らない独自技術は日頃から区分けして管理することが重要です

質問 取引価格を取引先が勝手に競合企業に流し、安い価格で受注を取られてしまったこともある。このような場合にどうすべきであったか。
回答

必ず取引契約は書面で交わし、その契約の中で、秘密保持条項として取引価格などの秘密保持義務を加えておくと良いでしょう。

質問 退職した社員が退職時に弊社の秘密情報を持ち出したのではないかと思われる。どのような対応策がありうるのか、相談に応じてもらえるか?
回答

知財総合支援窓口にご相談いただければ、INPITの営業秘密支援窓口(東京)の知財戦略エキスパートにおつなぎします。
知財戦略エキスパートは相談者の会社に出張して対応策の相談に応じ、秘密情報の窃取の可能性がある場合は、相談企業の代表者の意向次第ではありますが、警察庁への連絡も行う用意があります。

質問 我が社のアイデア・ノウハウも知的財産として保護を受けることができるのか?
回答

単なるアイデアの域にとどまるものは別として、例えば、

製造条件等のノウハウ
試作品のデータ
金型の図面・設計図
などは、すべて重要な知的財産です。他社に漏れる前に、特許などによる権利化や営業秘密として認められるように秘匿化することで保護できるかもしれません。

質問 不用意な技術流出を避けるための適切な特許出願書類作成とは?
回答

発明を権利化しようとする際は、競合他社の技術者にも明細書が読まれることを意識して、取得しようとする権利範囲に関係ない自社技術情報や、秘密として守るべき重要なノウハウなどを記載しないようにしながら書類を作成することが必要です。

質問 特許などによる権利化/営業秘密として秘匿化、どう使い分ければよい?
回答

対象となる技術の内容や競合他社との関係によっても取るべき戦略が変わってくるため一概に使い分けの基準を定めることはできませんが、一例として以下のような使い分けが考えられます。

権利化すべき

外から見て、あるいは分解すれば分かる機能
部品形状
分析が容易な材料組成
秘匿化すべき

特殊な表面仕上方法
熱処理プロセスなどの製造方法
権利侵害の発見が容易でないもの

質問 権利化と秘匿化のメリット・デメリットは?
回答

全てではありませんが、以下のようなことが考えられます。

権利化

メリット

権利内容や権利の存否を明確化できる
技術思想として広がりをもった「面」での権利保護がなされる
デメリット

出願公開によって自社の開発動向を知られたり模倣品が発生したりする
権利期間が満了した後には誰でも自由に利用可能となる
秘匿化

メリット

自社の事業戦略の方向性を秘匿することができる
保護期間の制限がない
デメリット

技術自体としての「点」での保護に限られる
リバースエンジニアリングや他社の独自開発によって技術独占ができなくなるリスクがある
漏えい対策を含めしっかりと情報管理をするための管理工数がかかる

質問 成分の解析が難しい物質を開発した。特許出願せずに秘密として守りたいと考えているが、他者に権利を取られては困る。どうしたらよいか?
回答

営業秘密として認められるように、徹底した秘密管理を行う必要があります。事業の状況によりますが、ごく限られた者のみしかアクセスできない情報として管理したり、製造工程を細分化して製法の全貌が把握できないようにしたりするなどの管理体制の構築が必要です。

質問 先使用権を確保するために収集すべき資料と、そのまとめ方を教えてほしい。
回答

先使用権を確保するためには、以下のような書類・モノを第三者が客観的に認識できることが立証できるように資料を確保し、保管しておく必要があります。また、これらの情報を紐付けるような文書を作成しておくとよいでしょう。
(1)技術に関連する書類:研究ノート、技術成果報告書、設計図・仕様書
(2)事業に関連する書類:事業計画書、事業開始決定書、見積書・請求書、納品書・帳簿類、作業日誌、カタログ、パンフレット、商品取扱説明書
(3)その他:製品自体、製造過程の映像

質問 窓口の概要や利用方法について教えて欲しい
回答

住所:〒105-6008 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー8階
料金:無料
相談形態:
メール相談
窓口(東京)対応
御社への出張訪問
Web会議
御社での社内セミナーの開催
利用方法:
【メールでのご相談のご希望】
随時受け付けております。お気軽にご相談ください。
※回答までにお時間を頂くことがございますのでご了承ください。
【窓口対応・出張訪問・Web会議・社内セミナーのご希望】
Webフォームまたはメール(ip-sr01@inpit.go.jp)にてご予約ください。予約受付後、相談日時等をご案内します。

質問 無料でアドバイスとあるが、出張で来てもらう場合の交通費も無料なのか。
回答

交通費等も含め、全国どこでも無料でご対応させていただきます。当窓口が相談者様に金銭的ご負担をお願いすることは一切ございません。

質問 出張で来てもらう場合、何か用意しておくものはあるか。
回答

特別にご用意いただくものはございませんが、例えば、営業秘密管理に関する出張訪問では、実際にどのように社内情報を管理されているか確認させていただけると、更に貴社に合ったアドバイスが可能となります。そのために、職場、工場等の見学や、運用中/運用予定の社内規則・契約書等の閲覧をお願いする場合がございます。

質問 1回の相談時間に制限はあるか。
回答

いずれの相談形態にも時間制限は設けておりません。出張訪問や社内セミナーの開催であれば、1回2~3時間程度のお時間をいただければと思います。ご都合に応じて調整いたしますので、お気軽にご相談ください。

質問 相談は何回まで可能なのか
回答

相談回数に制限はございません。

質問 社内向けの研修に知財戦略エキスパートを派遣してもらうことは可能か。
回答

可能でございます。Webフォーム またはメール(ip-sr01@inpit.go.jp)にてご相談ください。

質問 公的機関や金融機関などが主催するセミナーへの派遣も可能か。
回答

セミナーの内容や対象者にもよりますが、基本的に可能でございます。一度 Webフォーム またはメール(ip-sr01@inpit.go.jp)にてご相談ください。

質問 営業秘密の相談は最寄りの「知財総合支援窓口」にするのと、直接「営業秘密支援窓口」にするのと、どちらにすべきか迷う。
回答

どちらにお問い合わせいただいても結構ですが、一つの目安として、相談内容が営業秘密に関する内容のみであれば「営業秘密支援窓口」にお問い合わせいただき、特許や商標等も含む複合的な内容であれば先ずは「知財総合支援窓口」にお問い合わせいただければと思います。
また、2017年7月末より大阪にINPIT-KANSAIがオープンし、知財戦略エキスパートが営業秘密管理も含めた企業支援にあたっています。お近くの企業であれば、こちらにご相談いただいてもよろしいかと思います。
営業秘密支援窓口(東京)
関西知財戦略支援専門窓口 (INPIT-KANSAI、大阪)
知財ポータル(知財総合支援窓口WEB)